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1989 年度 実績報告書

劇症肝炎時の昏睡起因ペプチドの構造決定と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 63570329
研究機関昭和大学

研究代表者

与芝 真  昭和大学, 医学部, 助教授 (20010457)

研究分担者 井上 和明  昭和大学, 医学部, 助手 (90232529)
菅谷 慶三  昭和大学, 医学部, 助手
原 利恵子  昭和大学, 医学部, 助手
竹内 ゆかり  昭和大学, 医学部, 助手 (20192164)
キーワード劇症肝炎 / 昏睡起因物質 / 中分子量物質 / 生理活性ペプチド / 逆相系高速クロマト / 薄層ゲルクロマト / セファデックスG25
研究概要

本年度は、臨床的にはその存在を想定している中分子昏睡起因物質の高能率の除去を目的としたPMMA膜ないしCTA膜血液瀘過透析を開発し、それと血漿交換を組み合わせた強力な人工肝補助を完成させた。本法の臨床効果は極めて強力であり、肝機能の完全に廃絶した重症劇症肝炎患者であっても意識清明下に摂食、外泊可能な状態に保つ事ができるようになっており、究極的な人工肝補助の開発に成功したと考えている。そして、ウイルスの持続感染の想定されるC型劇症肝炎では本法とインタ-フェロン療法を組み合わせる事により良好な回復を誘導しており、過去3年半に当院では15/25(62.5%)の生存率を達成している。
以上の良好な臨床成績はますます中分子昏睡起因物質の存在を確信させる成績である。現在肝不全ラットに^3H-ロイシン、メチオニン、バリン、イソロイシンなどのアミノ酸を投与することにより、血中と脳中の中分子量域(分子量1500-5000)に基本的に2種類の中分子量物質が出現し、その精製にはSG25カラム→逆相系高速液クロ→セルロ-ス系薄層ゲルクロマトの組み合わせにより達成できる事が明かになっている。本年度は検体を大量に集め収量を増やしてペプタイド構造の決定する事を目標に実験を重ねている。具体的にはSG25カラムを大容量のカラムに変更し、得られた中分子量物質を厚さ0.5mmのセルロ-ス系カラムに高温で乾燥させつつスポットとし、ブタノ-ル、イソプロピルアルコ-ル、エタノ-ル、水、ギ酸の混合液を展開溶媒により展開している。これによりRf0.8の位置に単一の放射性を有する物質が夾雑物と分離されて単離される。現在この部分を分離し蓄積している。ペプタイド分析が可能な量が集まった時点で分析の予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Yoshiba M,Sekiyama K,Iwamura Y,et al.: "Antibodies to hepatitis C virus in non-Anon-B fulminant uiral hepatitis" Gastroenterol Jap.(1990)

  • [文献書誌] Yoshiba M,Sekiyama K,Takeuchi Y,et al.: "Development of an intensive artificial liver support-plasma exchange in combination with hemodiafiltration using high porformance membranes" Hepatology.

  • [文献書誌] 岩村ゆかり,与芝真,菅田文夫: "強力な人工肝補助療法とインタ-フェロン療法による劇症肝炎の治療" 日本消化器病学会誌. 87. 109-118 (1990)

  • [文献書誌] 与芝真: "急性肝不全" Medicina. 26. 1229-1234 (1989)

  • [文献書誌] 与芝真: "トレ-サ-実験法による劇症肝炎時中分子昏睡起因物質の精製" 病態生理. 7. 907-909 (1988)

  • [文献書誌] 与芝真: "劇症肝炎の治療ー高率の救命を目指してー" 新興医学出版社, 120 (1990)

  • [文献書誌] 与芝真: "臨床生理学シリ-ス「肝臓」(分担執筆)" 南江堂, 10 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2017-03-29  

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