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1989 年度 実績報告書

肺水腫における肺毛細血管内マクロファ-ジの病態生理と治療における意義

研究課題

研究課題/領域番号 63570339
研究機関北海道大学

研究代表者

宮本 顕二  北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (50190814)

研究分担者 岸 不盡彌  北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (80161438)
キーワード肺血管内マクロファ-ジ / 肺水腫 / トロンボキサン / リポソ-ム / 肺高血圧症
研究概要

昨年と同様にリポソ-ム(lipo)を逆相蒸発法にて作成した。昨年度はリポソ-ムに対する肺血管マクロファ-ジの反応(トロンボキサンを主にしたアラキドン酸代謝産物の放出)の相違は、リポソ-ムの組成あるいは表面電荷の違いによるものか不明であった。そこで今回は同じ表面電荷である異なったリポソ-ムをマイナス、中性のリポソ-ムを作成し、羊に対する肺動脈圧上昇を検討した。マイナスのリポソ-ムはPS-1poとPG-1ipoを、中性のものはPCとコレステロ-ルで作ったPC-1ipoとPE-1ipoを作成した。これらはリン脂質の構成上その電荷は全く同じ構造に位置している。同じマイナスのリポソ-ムでも肺動脈圧上昇に対してはPG-1ipo>PS-1ipoであった。PC-1ipoは全く肺動脈圧を上昇させないが同じ中性のリポソ-ムであるPE-1ipoは強く肺動脈圧を上昇させた。これらの反応には動脈血中のトロンボキサンB2の上昇をともなっていた。以上の事実は肺血管内マクロファ-ジはリポソ-ム構成成分であるリン脂質の電荷の相違に対して反応しているのではなくリン脂質の違いそのものに対して反応、トロンボキサンの放出をしていることを明らかにした。肺水腫を引き起こすエンドトキシンは大腸菌の膜成分であり、肺血管内マクロファ-ジがエンドトキシンと反応し、肺水腫を引き起こすが、その機序にエンドトキシンの膜構成成分の違いが関与している可能性を示していると考えられる。当初の目標である、肺血管内マクロファ-ジを分離し、種々のリポソ-ムによる反応をin vivoで調べようと、Bertramら方法により試みたがその分離は成功しなかった。しかし、今回の成績は肺水腫が引きおこされる機序にせまることが出来、当初の目標に合致した結果である。
*本文中の略字
CHOL:コレステロ-ル,PC:フォスファチジルコリン,PS:フォスファチジルセリン,PE:フォスファチジルセリン,PG:フォスファチジル,SA:ステアリルセリン

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 宮本顕二: "肺血管内マクロファ-ジの異種蛋白に対する反応-羊肺動脈圧に対する影響-" 日本臨床代謝学会記録. 27. (1990)

  • [文献書誌] K.Miyamot: "HIGH-ALTITUDE MEDICAL SCIENCE" Press Committee of HAMS Symposium, 466 (1988)

  • [文献書誌] K.Miyamoto: "THE PULMONARY INTRAVASCULAR MACROPHAGE" Futura Publishing Company,Inc., 180 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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