研究課題/領域番号 |
63570340
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
関沢 清久 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (50171335)
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研究分担者 |
志村 早苗 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20154312)
佐々木 英忠 東北大学, 医学部附属病院, 教授 (20004731)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | ニュ-ロペプタイド / タキキニン / アセチルコリン / 咳 / ACE阻害剤 / PGE_1 / 神経原性炎症 / 非アドレナリン作動性抑制神経 |
研究概要 |
気道に存在する自律神経由来のペプタイドの役割と放出に関する研究を行った。方法はおもに、当科研費によって購入したフォ-ストランジュ-サ-による気道平滑筋の等尺性収縮力の測定によって行った。猫気管支には非アドレナリン作動性抑制神経が存在し、そのトランスミッタ-はペプタイドであろうと考えられている。私達は、この非アドレナリン作動性抑制神経のニュ-ロトランスミッタ-が、副交感神経運動枝終末からアセチルコリン放出を抑制することを示した。気管支喘息の病態に副交感神経の役割は重要で、非アドレナリン作動神経からのニュ-ロトランスミッタ-の放出制御は今後検討する予定である。知覚神経C線維はタキキニン等数種のペプタイドを有するが、その代表的存在であるサブスタンスP(SP)の咳反射に及ぼす影響を検討した。SPは健常人には咳を誘発しないが、上気道炎罹患後の人では10^<-15>モルと極めて低濃度で咳を生じた。この作用は上気道炎の軽快と共に消失し、交感神経刺激薬内服で阻止された。一方、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は広く高血圧症の治療に用いられるが、副作用として咳を生ずる。私達はACE阻害剤内服中に咳を生じた人を調べると、著しくブラディキニン吸入に対する咳反応が亢進していることを示した。これらより、ペプタイドは内因性咳誘発物質の可能性があり、交感神経刺激剤は鎮咳剤となりうる。知覚神経C線維からのペプタイドの放出をプロスタグランジンE_1(PGE_1)が強く抑制することが明らかとなった。又、PGE_1はカプサイシンによる神経原性炎症も抑制した。PGE_1は動脈閉塞症で既に人に使用されている薬剤である。今後、PGE_1の呼吸器疾患治療の可能性を検討する予定である。
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