研究課題/領域番号 |
63570347
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
上田 五雨 信州大学, 医学部・附属心脈管病研究施設, 教授 (10020702)
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研究分担者 |
竹岡 みち子 信州大学, 医学部・附属心脈管病研究施設, 助手 (30197280)
平山 二郎 信州大学, 医学部・附属病院第1内科, 助手 (90156696)
久保 恵嗣 信州大学, 医学部・附属病院第1内科, 講師 (80143965)
酒井 秋男 信州大学, 医学部・附属心脈管病研究施設, 助教授 (70020758)
小林 俊夫 信州大学, 医学部・附属病院第1内科, 講師 (80020775)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | エンドトキシン / dbcAMP / 肺循環 / 肺リンパ / レ-ザ-ドップラ-法 |
研究概要 |
透過性亢進型肺水腫は、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)の中心的病態と考えられている。臨床的には、種々のショック、エンドトキシン血症および敗血症、火傷、パラコ-ト中毒、肺塞栓、高地環境暴露等の際にみられるが、その発生機序には不明な点が多い。そこで、緬羊の慢性肺リンパ瘻をStaubの方法で形成し、覚醒下に、各種透過性亢進型肺水腫を形成させ、血管内皮細胞のcyclic AMPおよびCaイオンの関点がどのような役割を果たすかについて検討した。緬羊の実験については、福島、小林、久保、平山、酒井、吉村、芝本、小山(関哉)、豊福利彦、B.Levine等が協力し、上田は透過性の係数を透過面積と分離するプログラムを開発し、更に反発係数σ、蛋白拡散係数ωなどの相関を求め、負性係数理論を導入した。また、透過性亢進と間質量の増減の関係についても新知見を求めることができた。その理論と結果については、ベルリンの微小循環学会で発表、総括することができた(1989年7月)。豊福等は、ポリカチオンが細胞表面のanionic siteで干渉をうけ、蛋白の透過性の増大は、カチオン系物質が内皮細胞の荷電部位を中和するためであることを証明した。dbcAMPの他にも、Verapamil、Niphedipineの前投与は、肺動脈圧の上昇を抑制することをつきとめた。 剔出ラットの肺灌流標本に対しては、酒井、竹岡、淺野(功治)等が実験を行い、dbcAMPの30μg/minの注入は、定酸素性肺血管収縮を抑制することを証明し、酒井、竹岡、S-W Chang,W.F.Volkelとも共同研究を行った。また、dbcAMPはLTC_4による低酸素性肺血管収縮を抑制することを示した。 家兎の寒冷血管傷害に対しては、毛細血管系、動静脈吻合系の動態をレ-ザ-ドップラ-法で究明した。 此等の結果を用い、人での肺傷害治癒の機転も解明しつつある。
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