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1988 年度 実績報告書

気管平滑筋弛緩に対するcyclic GMPの意義

研究課題

研究課題/領域番号 63570348
研究機関名古屋大学

研究代表者

高木 健三  名古屋大学, 医学部, 講師 (50093050)

研究分担者 鈴木 隆二郎  名古屋大学, 医学部, 助手 (60179273)
キーワードcyclic GMP / 気管平滑筋 / キサンチン製剤 / atrial natriuretic polypeptide(心房性ナトリウム利尿ホルモン) / ニトロ化合物 / sodium nitroprusside / nicorandil / ニトログリセリン / コルホルシン
研究概要

気管支喘息の主要な病態は気道の攣縮である。従来より、気道の攣縮寛解に対する気管支喘息の治療薬として交感神経刺激薬、キサンチン製剤などが用いられている。しかしながら、連用により薬剤耐性、副作用があること、治療効果に限界があることはよく知られている。これらcyclic AMP作働薬と同様に、血管平滑筋に対し弛緩作用をもち、同時に組織のcyclic GMP濃度を増加させると報告されているsodium nitroprussideやnicorandilが、気管平滑筋においても強力な弛緩作用を有することが明らかになれば、気管支喘息治療にも応用できる可能性を示唆するものであり、気管平滑筋弛緩に対するcyclic GMPの意義を明確にできる。
今回の検討の結果、sodium nitroprusside、nicorandil、nitroglycerinのみでなく、新しく発見された心房性ナトリウム利尿ホルモン(atrial natriuretic polypeptide)も、気管平滑筋弛緩作用を示し、さらに、組織中のcyclic GMPが増加することがわかった。気管平滑筋においても、血管平滑筋と同様、ニトロ化合物や心房性ナトリウム利尿ホルモンが、cyclic GMPを介して平滑筋の弛緩に関与していることが示唆された。とくに、これらの知見は、気管平滑筋としては、世界で初めてのものであり、学会においてシンポジストに選ばれるなど高く評価され、今後の研究の進展が期待されている。さらに、キサンチン製剤の気管平滑筋弛緩効果についても再検討し、low km cyclic AMP phosphodiesteraseに対する抑制効果と相関することを、各種キサンチン誘導体を合成することにより明らかにした。これも高く評価されBr.J.pharmacol.に発表予定になった。現在、新しいペプチドが血管同様、気管平滑筋においても弛緩を示すことを明らかにしており、さらにcyclic GMPが関与していることが示唆されており、これら研究の進展を近く発表する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 高木健三 他: 呼吸. 7. 230-235 (1988)

  • [文献書誌] Takagi,K.etal.: Jpn.J.Pharmacol.46. 373-378 (1988)

  • [文献書誌] Ruttikorn,A.;Takagi,K. et.al.: Jpn.J.Pharmacol.48. 341-347 (1988)

  • [文献書誌] Watanabe,H.;Takagi,K. et.al.: Progress in Biochemical Pharmacology. 23. 136-141 (1988)

  • [文献書誌] Furui,H.;Suzuki,K.;Takagi,K. et al.: Clin.Exp.Pharmac.Physiol.

  • [文献書誌] Ogawa,K.;Takagi,K. et.al.: Br.J.Pharmacol.

  • [文献書誌] Suzuki,R.;Takagi,K.;Satake,T.: "Focus on Pulmonary Pharmacology and Toxicology(vol.1)Muscarinic Acetylcholine Receptors in the Lung" CRS Press,Inc, 129-141 (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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