1.各種脱髄疾患患者の血清でCNP(2┣D1´、3┣D1´┫D1-環状ヌクレオチド3┣D1´┫D1フォスフォジエステラーゼ)抗体をスクリーニングしたところ、脳脊髄炎及び抹消神経炎の数症例において対照にくらべて有意に高い力価が見られ、CNPが抗体を介して炎症性脱髄疾患の成因に関与している可能性が示唆された。 2.ウシCNPはエラスターゼで可溶化して精製した標品をウサギに注射すると容易に特異的な抗体が産生した。抗体の産生はブースターによって著しく高められたが、注射された動物に異常な神経症は観察されなかった。 3.ウシCNPに対する抗体は抗原に対して種特異性を示した。すなわち、抗体はウシCNPを完全に沈降させ、ウシCNP活性を50%阻害したが、ラットCNPに対しては沈降反応も活性の阻害もなかった。 4.ヒト及びマウスCNPのcDNAクローニングを行なった。ヒトのcDNAは1800bpからなり翻訳領域を全部含んでいた。マウスのcDNAは2500bpでmRNAの全長をカバーすると思われた。 5.ヒト及びマウスCNPのcDNAからβ-ガラクトシダーゼと融合したCNPタンパクを調製した。融合タンハクを用いた感作実験が進行中である。
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