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1989 年度 実績報告書

トリソミ-16キメラマウスを用いたアルツハイマ-病発症機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 63570375
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

西澤 正豊  国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第6部, 室長 (80198457)

研究分担者 亀谷 雅洋  国立精神, 神経センター・神経研究所・疾病研究第6部, 研究員
国下 龍英  国立精神, 神経センター・神経研究所・疾病研究第6部, 室長 (40167383)
高橋 慶吉  国立精神, 神経センター・神経研究所・疾病研究第6部, 室長 (40117148)
田平 武  国立精神, 神経センター・神経研究所・疾病研究第6部, 部長 (80112332)
花岡 和則  国立精神, 神経センター・神経研究所・モデル動物開発部, 室長 (40189577)
キーワードトリソミ-16マウス / アルツハイマ-病 / ダウン症 / 動物モデル / キメラマウス
研究概要

本研究は、ヒト第21染色体上に存在するアミロイド前駆体蛋白(APP)遺伝子を含む領域が保存されているマウス第16染色体についてトリソミ-となったトリソミ-16マウス(Ts16)がAlzheimer病(AD)におけるアミロイドβ蛋白(βAP)の蓄積機序を解析する上で有用なモデルとなり得るか否かを検討することを目的とし、胎生末期に子宮内で死亡してしまうTs16の神経組織をさまざまな方法によりrescueして長期にわたる観察を行っている。西ドイツより導入したTs16作成に用いる親マウスがマウス肝炎ウイルスにより汚染されていたため、帝王切開による除染処置が必要となり、Ts16正常キメラマウスを作成する実験系は確立したが、未だ経時的観察に十分な数のキメラは得られていない。Ts16正常キメラと確認されたマウスについては生後1年までの観察では行動上明らかな異常は認められず、今後組織学的検索を行う。米国で作成されたTs16由来の神経細胞が約50%のキメラにおいてはβAPの蓄積がみられていないので、Ts16胎児の神経細胞を正常マウス脳に移植して神経組織について部分的にキメラとなったマウスも作成した。この移植片にβAPの蓄積がみられるか否かは重要で、今後検索する。一方、無血清培地を用いた神経細胞培養系を確立し、神経成長因子(NGF)に対する反応性を調べたところ、Ts16前脳基底野のコリン作動性neuronではNGFに応答してcholine acetyltransferase活性が誘導されず、また、単位重量当たりのNGF含量はTs16では正常対照よりも増加していることを明らかにした。胎生後期においてAPPmRNAはTs16では正常の約2倍に増加していたが、APP各分子種の割合には正常と差異はみられなかった。これらの知見とADにおけるコリン作動性neuronの異常との関連をさらに検討する必要がある。今回用いた方法でrescueされたTs16がAD病変を再現できるか否かの回答はキメラ、および移植系における組織学的検索の結果を待たねばならない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 西澤正豊: "トリソミ-16マウスダウン症およびアルツハイマ-病研究における有用性" 神経研究の進歩. 発表予定.

  • [文献書誌] 田平武: "ダウン病の動物モデル16ートリソミ-マウスの研究" 厚生省痴呆疾患対策調査研究昭和63年度研究報告書. 52-56 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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