研究課題/領域番号 |
63570377
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
成富 博章 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (60132932)
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研究分担者 |
佐々木 將博 国立循環器病センター研究所, RI施設, 研究員 (50150800)
金城 勝 国立循環器病センター研究所, 共通実験室, 研究員 (10132929)
NARITOMI Hiroaki National Cardiovascular Center Cerebral Circulation Laboratory Director (60132932)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | ^<23>NaーNMRスペクトロスコピ- / 脳細胞内Naイオン濃度 / シフト試薬 |
研究概要 |
従来、臓器の細胞内Naイオン濃度は微小電極法を用いて測定されてきたが同方法は侵襲的であるという欠点を有している。最近、生体計測核磁気共鳴法(NMR)とシフト試薬を用い、諸臓器、組織の細胞内外Naイオン濃度をin vitroで測定する報告があいついでいる。本研究では^<23>NaーNMRスペクトロスコピ-とシフト試薬を用い砂ネズミの脳、骨格筋の細胞内外^<23>Na、^1Hをin vivoで測定する試みを行った。シフト試薬には毒性の少ないDysprosium Triethylenetetraminehexaacetate(Dy〔TTHA〕^<3->)を用いた。Dy〔TTHA〕^<3->を投与しない場合、^<23>Na、^1Hスペクトルは単一のピ-クを示すのみであった。Dy〔TTHA〕^<3->300mMを2時間かけて徐々に静脈内投与したところ成熟砂ネズミ脳または大腿筋の^<23>Na、^1Hシグナルはいずれも二つのピ-クに分離された。シフトを示さないピ-クは細胞内シグナル、シフトを示すピ-クは細胞外シグナルを反映していると考えられる。脳の^<23>Na、^1Hスペクトルでは第三の小さなピ-クが認められ、パパベリン静注により強度が増加した。この第三のピ-クは血管内シグナルを反映していると考えられる。Dy〔TTHA〕^<3->が血液脳関門を通過するか否かを検討するため血液脳関門が未発達な幼若砂ネズミを用いて同様の実験を行ったところ、成熟砂ネズミとほぼ同様のスペクトルパタ-ンが得られた。ただし幼若砂ネズミにおける^<23>Na、^1Hピ-ク分離は成熟砂ネズミよりも迅速かつ大であった。本NMR法は非侵襲的である点で従来の微小電極法より優れている。また細胞内外^1Hシグナル比から細胞内外スペ-スの変化を推測することも可能であり、本NMR法は臓器の生理および病態生理研究に有用と考えられる。
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