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1989 年度 実績報告書

窒息屍内臓うっ血の成因

研究課題

研究課題/領域番号 63570380
研究機関産業医科大学

研究代表者

古屋 義人  産業医科大学, 医学部, 教授 (40013841)

研究分担者 北 敏郎  産業医科大学, 医学部, 助手 (00131912)
キーワードAsphyxia / Ligature strangulation / Pulmonary congestion / Adrenaline / Noradrenaline
研究概要

われわれは、これまでに窒息屍モルモット肺うっ血の成因を種々の方法で検討してきた。即ち、窒息屍肺の顕著なうっ血をその含鉄量から明らかにし、さらに絞死肺では、肺動脈収縮比あるいは肺毛細血管および肺静脈の短径を計測することにより肺動脈や肺毛細血管の痙攣あるいは収縮のために静脈性うっ血が生じていることを明らかにした。また、これらはノルアドレナリンが肺動脈及び肺毛細血管の内皮細胞に侵入し、痙攣ああるいは収縮を生ぜしめているのを蛍光組織化学法、電顕酵素抗体法(PAP法)、オ-トラジオグラフィ-およびラジオアッセイで確認した。肺静脈に関しては、窒息時に増量したヒスタミンによるH_1レセプタ-関与の内皮細胞依存性拡張が生じている可能性を電顕酵素抗体法およびラジオアッセイで確認した。次に、肺以外の臓器におけるうっ血の状態を明らかにするために、^3Hーwaterを呼吸停止時に投与、心停止時に各種臓器を採取し、サンプルオキシタイザ-を用い分布状態を測定した。その結果、脾臓の含血量が減少し、肺、腎臓の含血量が増加することが明らかになった。また、^3アドレナリンおよび^3Hノルアドレナリンを投与し各種臓器での分布状態を検討した。その結果窒息屍脾臓の収縮にはアドレナリン関与の可能性が考えられた。窒息時の肺以外の臓器の血管短径を画像解析装置を用い測定し、脾臓中心動脈および脾柱静脈の収縮および腎小葉間静脈および皮質、髄質毛細血管の拡張が窒息時に認められた。また脾臓血管短径の計測を行い、脾臓血管の収縮部位が脾動脈あるいは脾静脈で認められた。その収縮に関与していると思われるアドレナリンの脾臓血管における局在性をオ-トラジオグラフィ-あるいは免疫電顕酵素抗体法をもちいて検討しアドレナリンが脾臓では脾中心動脈、脾柱静脈および脾洞内皮細胞内に、腎臓では小葉間動脈内皮細胞に認められた。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 北敏郎: "絞死における肺うっ血の成因(I)" 日本法医学雑誌. 40. 129-131 (1986)

  • [文献書誌] 北敏郎: "絞死における肺うっ血の成因(II)" 日本法医学雑誌. 40. 282-286 (1986)

  • [文献書誌] 北敏郎: "絞死における肺うっ血の成因(III)" 医学研究. 57. 301-305 (1987)

  • [文献書誌] Kita Toshiro: "Catecholamine effects on pulmonary blood vessels in strangulation" Z Rechtsmed. 99. 75-85 (1987)

  • [文献書誌] 北敏郎: "絞死における肺うっ血の成因(IV)" 医学研究. 59. 19-22 (1989)

  • [文献書誌] 北敏郎: "絞死における肺うっ血の成因(V)" 医学研究. 59. 47-51 (1989)

  • [文献書誌] 北敏郎: "絞死における肺うっ血の成因(VI)" 医学研究. 59. 52-56 (1989)

  • [文献書誌] 北敏郎: "絞死における肺うっ血の成因(VII)" 医学研究. 59. 57-59 (1989)

  • [文献書誌] 北敏郎: "絞死における肺うっ血の成因(VIII)" 医学研究. 59. 83-89 (1989)

  • [文献書誌] 北敏郎: "絞死における肺うっ血の成因(IX)" 医学研究. 59. 97-98 (1989)

  • [文献書誌] Kita Toshiro: "Histamine effects on pulmonary blood vessels in strangulation" Z Rechtsmed. 103. 85-91 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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