研究課題/領域番号 |
63570382
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
村田 和彦 群馬大学, 医学部, 教授 (60010237)
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研究分担者 |
市川 秀一 群馬大学, 医学部, 講師 (80124650)
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キーワード | 降圧利尿剤 / 赤血球内Na / 赤血球内K / Na-KATPase活性 / 心房性Na利尿ホルモン / 抗利尿ホルモン / アルドステロン / 血漿レニン活性 |
研究概要 |
降圧利尿剤あるいは他剤併用にて1年以上血圧が140/190mmHg以下のWHOI〜II期の本態性高血圧症患者9名にて以下の成績を得た。降圧利尿剤中止(WD)前の収縮期血圧129●±☆10mmHg(平均●±☆標準誤差)、拡張期血圧86●±☆3mmHgでWD後2週目に各々134●±☆10、89●±☆4となり、その後4週、8週目に徐々に上昇し、12週目には143●±☆12、92●±☆11と有意に上昇した。WD後血清ナトリウム(Na)は有意の変化はなかったが、血清カリウム(K)は有意に上昇した。一方赤血球内Na濃度はやや下降し、K濃度は上昇するもの5例、下降するもの4例であった。また赤血球Na〜KATPase活性は7例において下降し、2例で上昇した。血漿遊離Ca^#濃度は有意な変化はなかった。同時に測定した種々ホルモンでは、ANP、ADH、コーチゾールは有意な変化はなく、アルドステロンは血漿レニン活性(PRA)の低下とともに有意に下降した。以下のことから、1年以上血圧がコントロールされている患者でもWDにより、血圧が再上昇する事が示唆された。赤血球Na-KATPaseがWDにより減少するものが多く、Na-KATPase抑制因子の関与が高血圧の原因の一部と考えることもできるが、赤血球内Na、Kの動きは一定ではなかった。降圧利尿剤投与中、アルドステロン、PRAは、常時刺激されている状態にあり、他の体液量に関与する種々ホルモンはホメオスターシスにより元にもどっていることが判明した。今後、症例数の追加とともに、降圧利尿剤投与によるこれら種々因子の変化を検討することが必要である。
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