研究課題/領域番号 |
63570390
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
宮崎 青爾 岐阜大学, 医学部附属病院第3内科, 講師 (50108502)
|
研究分担者 |
鈴木 文昭 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90115410)
宮崎 均 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (40183636)
|
キーワード | レニン / 活性型レニン / 不活性型レニン / 不活性型レニン分秘促進因子 / 顎下腺 / 腎 |
研究概要 |
われわれはラット血漿中に、レニンの前駆体と考えられる不活性型レニンの分泌を調節している因子を顎下腺と腎に見いだし、それぞれの生理学的、生化学的特性を検討し、純品として単離する努力を重ねてきた。平成元年度では、以下の成果を挙げることができた。 (1)正常ラットの顎下腺の抽出液中に、上記の特性を持ったぺプチドを単離することに成功した。すなわち、顎下腺抽出液中の求める成分は、調節用等電点電気泳動(ロトフォア、pI3-10)では、等電点が約8.5の位置に存在が証明された。この画分をゲル涙過(TSKgel2000SW)したところ、分子量が約3万の位置に本因子が溶出した。この画分を大量に集めて、当初の計画通り、本因子の抗体作製、アミノ酸配列の決定や本因子の生物学的性質・他の生物活性物質との主として生理学的特性の検討に供したい。 (2)ラットの顎下腺に見いだされた因子は、概報のごとく、ヒトにおいても存在を確認したが、臨床的にこれを証明することが出来ないかどうか、基礎的な検討を進めている。まず、腎以外からレニンが分泌されているか否かの検討を行なったところ、正常者の上腕に血圧計のマンシェットを巻き収縮期と拡張期血圧の中間値で加圧すると、腕の血管から不活性型レニンが分泌されることを見いだした。このとき活性型レニンは不変であった。さらに、この腕からの不活性型レニン分泌は交感神経のβ-adrenoreceptorを介すること見いだした。ラットを用いた実験では、顎下腺の不活性型レニンの分泌因子はやはりβ-adrenoreceptor刺激で分泌されるので、ヒト腕からの不活性型レニン分泌が顎下腺を介しているかどうかを、次に検討したい。
|