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1988 年度 実績報告書

慢性圧負荷による左室肥大形成過程における左室弛緩機能の分析

研究課題

研究課題/領域番号 63570391
研究機関京都大学

研究代表者

久萬田 俊明  京都大学, 医学部, 助教授 (70127760)

研究分担者 中村 保幸  京都大学, 医学部, 助手 (20144371)
キーワード心肥大 / 左室弛緩機能 / 慢性圧負荷 / 腎性高血圧 / 時定数 / 局所壁運動
研究概要

7匹の雑種成犬に、計画書にある通りに種々の計器を植込んだ。
術後7日目までにこれらの内2匹が死亡した(#2、#3犬)。
#1犬は、術后2週目までは回復よく、2週目に右腎摘を施行した。腎摘后4日目には左室最高血圧(PSP)は210mmHgまで上昇し、心基部および心尖部に植込んだクリスタルからの壁厚(心基部壁厚=WBx、心尖部壁厚=WAxとする)は各々溥くなり、腎性高血圧によって生じた圧負荷のため左室腔が拡大したことが示唆された。Peak(-)dP/dtはPSPの上昇期に増加傾向を示し始め(3700→5500mmHg/ACC)、本指標がafterload dependentであることを示唆した。しかし腎摘4日后を過ぎるとPSPは降下し始め、左室拡張終期圧(EDP)は20mmHgまで上昇し、WBx、WA×(壁厚)はさらに溥くなった。この期間には犬は元気がなくなり腎摘一週間后には起き上れぬ程に衰弱してしまったため、sacrificeした。残り4匹のうち2匹(#5犬、#6犬)は術后2週間目に腎摘を施行したが、翌日からは壁厚(WBx、WAx)のsignalが得られなくなり、その時点でsacrificeした。
#4犬は術后51日間、#7犬は71日間follow upすることができた。#4犬では、腎摘(術后2週目)後一週目にはPSPが190mmHg(control PSP=130mmHg)に上昇、EDPは20mmHg→30mmHgへ上昇した。peak(-)dP/dtも上記と同様に上昇した。術后5週目になると、PSPは240mmHgまで上昇、EDP=28mmHg、心拍数は上昇(75bts/分(control)→150bts/分)、一方WBxとWAxの壁厚は17%と12%だけ増加し、Peak(-)dP/dt)は術后3〜4週后に比して低下傾向を示した。#7犬も同様の変化を示している。このことから#4犬では圧負荷に適応して左室壁厚の代償性肥大が形成されたことを示し、本研究の目的とする血行動態の分析が可能である。以上のような経過であるので今后も匹数を増やして統計解析できるようにもってゆきたい。

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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