研究課題/領域番号 |
63570394
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
真枝 文紀 大阪大学, 医学部, 講師 (20165707)
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研究分担者 |
坂口 勝彦 大阪大学, 医学部, 医員
大塚 篤弘 大阪大学, 医学部, 医員
中丸 光昭 大阪大学, 医学部, 助手 (40150346)
荻原 俊男 大阪大学, 医学部, 教授 (60107042)
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キーワード | PAF / 血小板凝集阻止因子 / DIC / 細胞内カルシウム |
研究概要 |
血小板凝集の最終MediatorにはFAR,ADP,Thromboxane A2が知られているが、この中でPAF炎症を起因とする梗塞性疾患で重要な病因として作用していることが考えられる。PAFの存在形態には流血中のPAFと非流血中のPAFが考えられている。流血中のPAF濃度が急激に上昇すると播種性血管内凝固症候群(DIC)等を引き起こすと考えられているが、これまで血中PAFを正確に測定する方法が明かではなかった。最近negative ion chemical ionization法によるgas chromatography/mass spectrometryを用いると血中PAFを50fg/mlの感度で測定出来ることが明かとなった(Yamada et al.J.Chromatograph.1988)。我々はこの方法でヒトDICでは血管内PAF濃度が急激に上昇し、その上昇と鏡像的に循環血小板数が減少することを明らかにした。また非DICの時期には血中PAF濃度は変動幅の少ないきわめて安定した値を示すが、臨床的にPre-DIC状態ではPAFはわずかに上昇するがすぐに元の安定レべルに戻ることが明かとなった。従って、PAFは臨床的にもDICなどの重篤な疾患において重要な作用を行っていることが考えられる。これまでPAFの作用を抑制する内因性因子がヒト血中に存在することをこれまで報告した。その測定法は兎の血小板のPAFによる凝集阻止活性で行っていたが、この方法では種の特異性が不明であることと、測定感度が低いことの理由により兎血小板の代わりにヒト血小板を用いて検討することにした。内因性血小板凝集阻止因子についての測定法をまず確立するために、ヒト血小板でPAFによる血小板凝集濃度以下の濃度のPAFによる細胞内カルシウム増加測定法を確立し、ついでその測定法を用い、PAFによるヒト血小板内カルシウム上昇阻止活性を測定出来るかを検討した。その結果、ヒト血小板の調整にプロスタサイクリン等を必要としたが、PAFによる細胞内カルシウム上昇測定法を確立することが出来た。
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