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1989 年度 実績報告書

広帯域超音波生体組織特性計測法による冠動脈硬化度の定量的解析

研究課題

研究課題/領域番号 63570399
研究機関香川医科大学

研究代表者

千田 彰一  香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30145049)

研究分担者 中島 茂  香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (80172310)
水重 克文  香川医科大学, 医学部, 助手 (90166009)
森田 久樹  香川医科大学, 医学部, 助手 (70145051)
松尾 裕英  香川医科大学, 医学部, 教授 (90028514)
キーワード超音波顕微鏡 / 生体組織特性計測システム / 組織絶対音速 / 試料厚み / 温度依存性変化 / 冠動脈粥状硬化 / 冠動脈壁硬度 / 減衰量
研究概要

本研究では、生体組織の物性的特性を音響学的に定量評価しうる広帯域周波数超音波生体組織特性計測システムを用いて、ヒト冠動脈壁音速の定量計測から、病理学的粥状硬化進展度を物理的な壁硬度に関連づけて検討し、また減衰計測から冠血管の蛋白成分弁別の可能性を調べた。
1.可変型温度制御装置を用いて、測定部の温度変化に対する組織音速の変動を肝実質、心筋、冠動脈内膜について比較検討した。測定部温度30℃から50℃の範囲内での単位温度当りの音速増加率は、それぞれ、2.68m/s/℃、4.26m/s/℃、0.60m/s/℃で、各組織音速は温度変化に対し各々固有の変動をとることが確認された。
2.ヒト剖検例より得られた冠動脈18片を対象に、光学顕微鏡所見をもとに正常群、早期粥状硬化群、後期粥状硬化群に分類し、各々の内膜音速を算出した。音速は各々1947.3±100.2m/s、1694.3±64.1m/s、2246.3±96.0m/sであった。音速と体積弾性率は比例関係にあり、体積弾性率を硬度の指標とみなせば、冠動脈内膜は、粥状硬化早期には正常例より軟らかく、高度病変の段階に至って硬度が増加すると考えられた。
3.50MHz超音波の減衰計測により、生体構成蛋白の表面積、硬さの定量評価を行いうるよう計測システムを作った。超音波周波数と減衰量とを片対数にとると、1〜100MHz帯では両者は負の直線関係にあり、100MHz以上では、ほぼ一定の減衰量となる。低周波部における減衰量は、蛋白の電解質の性質を反映(側鎖塩基の種類と数に依存)した加水分解部と三次元構造を反映(表面積、硬さに依存)した側鎖緩和部とより成る。そこで15-70MHzと1-10MHz帯の減衰量を測定して前者の勾配より1-10MHz帯での側鎖緩和部と同部の加水分解部を抽出しうる。以上の考えに基づき、イヌ血液、冠血管を対象に2μmマイラ-膜で支持して吸水量を計測したところ、3種の蛋白成分まで弁別可能なことを実験的・理論的に確認した。

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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