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1988 年度 実績報告書

実験的冠動脈閉塞におけるANP動態、交感神経の受容体及び心筋微細形態変化の研究(副題:冠動脈の再還流及び側副血行の影響)

研究課題

研究課題/領域番号 63570407
研究機関横浜市立大学

研究代表者

佐野 敏男  横浜市立大学, 医学部第2内科, 助手 (90154129)

研究分担者 石井 當男  横浜市立大学, 医学部第2内科, 教授 (90010363)
小林 公也  横浜市立大学, 医学部第2内科, 講師 (60117744)
梅村 敏  横浜市立大学, 医学部第2内科, 助手 (00128589)
キーワード実験的冠動脈閉塞犬 / 側副血行路 / 心筋組織血流量 / 心筋組織酸素分圧 / 心筋細胞微細構造 / 僧帽弁膜疾患 / 左心耳 / 心房筋特殊顆粒
研究概要

実験的冠動脈閉塞犬〔左冠動脈前下行枝を1時間結紮した後、1時間再還流を行なった。〕を作成し、左冠動脈前下行枝領域への直視可能な側副血行をすべて結紮した群と結紮しない群に分けて、血行動態、心室細動の発生率、心筋乳酸摂取率、水素クリアランス式組織血流計による虚血部の内・外層の心筋組織血流量および、組織酸素分圧測定装置による虚血部の内・外層の心筋組織酸素分圧を測定し、電子顕微鏡による心筋微細構造変化を観察した。側副血行路結紮群(n=16)と非結紮群(n=9)において、risk areaに差は認めなかった(40.2±3.8対39.2±4.0,ns)。側副血行路結紮群では、非結紮群に比べて、梗塞後の心室細動の発生率が高く(69%対22%、P<0.005)、また再還流後の心筋外層での組織血流量の回復が,内層に比べて遅延した。さらに心筋組織像でも、contraction band necrosisやミトコンドリアのmatrixの破壊像を多く認めた。しかし、乳酸代謝や血行動態では、両群に差はなかった。虚血部での心筋組織酸素分圧では、左冠動脈前下行枝結紮後、側副血行結紮群と非結紮群ともに、外層の酸素分圧は低下するが、内層の心筋酸素分圧は、増加する傾向が見られた。再還流後の心筋外層の酸素分圧は、側副血行路結紮群では、非結紮群に比べて回復が悪かった。今後の研究として、以上のパラメーターに対する薬剤の影響を調べる予定である。又、虚血部のα_1受容体を測定する予定である。
僧帽弁膜疾患患者(n=13)の左心耳を電子顕微鏡で観察し、心房筋特殊顆粒数(ASG)を半定量的に測定し、ASGの数が左心耳の心房筋細胞の変性の程度によって変わるか否かを調べた。左心房拡大により、心房壁が長期間伸展され、心房筋特殊顆粒数は増加していた。心房筋変性が強い部位では、軽い部位に比べて、ASG数が有意に少ない事から、ASG数は、心房筋細胞の変性の程度にも影響される事が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Sano;K.Kobayashi;T.Hakuta;M.Ishii;J.Kondoh;A.Matsumoto: European Heart Journal. 9. 70-70 (1988)

  • [文献書誌] 佐野敏男,二瓶東洋,楊舜清,杉山和秀,林修一,矢花真知子,小林公也,石井當男: 脈管学. 9. 922-922 (1988)

  • [文献書誌] 佐野敏男,吉村浩,宮島栄治,木村一雄,矢花真知子,小林公也,博田定,石井當男: 脈管学. 9. 964-964 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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