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1988 年度 実績報告書

心筋再潅流障害におけるフリーラジカルとエネルギー代謝

研究課題

研究課題/領域番号 63570413
研究機関東海大学

研究代表者

沖野 遙  東海大学, 医学部, 教授 (60055689)

研究分担者 一守 康史  東海大学, 医学部, 助手 (60184636)
中沢 博江  東海大学, 医学部, 助教授 (20110885)
キーワード心筋 / CoenzymeQ_<10>アニオンラジカル / 虚血
研究概要

雑種成犬40頭を麻酔開胸下に左冠状動脈前下行枝を90分閉塞後に60分間の再灌流を行い、閉塞中および再灌流後の心筋障害の程度を検討した。
心機能ならびに心筋障害の指標は血行動態(LVEDP、心拍出量、冠血流量)、心エコーによる左室収縮異常の範囲と左室壁厚、心表面心電図のST偏位とQ波を用い、摘出心臓にTTC染色とNADH蛍光法を施行し心筋梗塞範囲を前下行枝領域に占める割合で表して組織化学的な心筋障害の指標とした。ラジカルスカベンジャー(SOD+CAT+Mannidol)投与群では非投与能に比べ壊死領域は小さく、心内膜下に限局していた。また左室に対する灌流領域の占める割合は両群で等しく、実験条件は同等であったが灌流領域に対する壊死領域の占める割合はスカベンジャー投与群では著しく限局していた(34.1±12.0%vs66.0±11.3%)。また再灌流障害の一つの指標である心筋浮腫の程度を心エコーの心室虚血部の壁厚で評価すると、左室前壁厚の増大率は非投与群で42.4+55%スカベンジャー群で18.4±3.8%とスカベンジャー群で有意に浮腫が押さえられていた。また心エコーによる再灌流時の壁運動も改善を示す成績を得ることが出来た。虚血部と非虚血部の心筋をミトコンドリア分画とサイトゾル分画に分離したのちに各々のSOD活性をElectron Spin Resonance(ESR)法によって測定した。SODの活性は90分程度の虚血時間では再灌流時にも減少しないことが明らかになった。
また心筋組織の迅速採取(0.5秒以の凍結)標本のESR測定によりスカベンジャーの投与はCoQ_<10>ラジカルの減少を抑制し過酸化脂質ラジカルの増加を抑えることが示された。(Nakazawa et al.The link between free radicals and myocardial injury.Jap Circulation J52:1988)。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Hiroe Nakazawa,;Haruka Okino,et al.: Circulation. 74. II-433 (1986)

  • [文献書誌] Hiroe Nakazawa,;Haruka Okino,et al.: Circulation. 74. II-261 (1986)

  • [文献書誌] 中沢博江、沖野遙 他: 医学のあゆみ. 142. 752-754 (1987)

  • [文献書誌] Kohji Ichimori,;Haruka Okino,et al.: Circulation. 76. II-199 (1987)

  • [文献書誌] Hiroe Nakazawa,;Haruka Okino,et al.: Jap Circulation J.52. 646-654 (1988)

  • [文献書誌] Hiroe Nakazawa,;Haruka Okino,et al.: Am J Physiology. 255. H213-H215 (1988)

  • [文献書誌] Hiroe Nakazawa,;Haruka Okino,et al.: "Oxygen Radicals in Biology and Medicine" Plenum Press, 345 (1988)

  • [文献書誌] 中沢博江、沖野遙 他: "フリーラジカルの臨症 Vol3" 日本医学館, 134 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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