研究概要 |
今年度も、前年度(初年度)に引続き、東大小児科入院病歴のパ-ソナルコンピュ-タ-のデ-タベ-スの入力作業を続けている。現在全病歴の40%の2万5000名分のデ-タの入力が終っている。まだすべての病歴の入力が終ってはいないが、この100年間の入院患者の傾向を見るために、5年毎の入院患者をすべて引き出し、系統別疾患の100年間の年次推移について検討を行った。対象となったのは、東大小児科入院患者の20%にあたる10102名である。まず死亡率について見ると、1890年〜1930年は約20%と変化なく、それ以降1940年まで10%との後まで減少を示すが,1945年に戦争によると思われる26%の高率を示したあと漸減,現在の4〜5%に低下していた。全入院患者を25の系統疾患に分け、その割合の年次推移を検討したがその結果を下に示す(主要系統疾患のみ)。 神経 循環 呼吸 腎 内分泌 免疫 感染 血液 腫瘍 周産期 消化器 (1985)45 157 59 23 7 8 20 25 35 22 31 (1975)104 100 42 19 15 7 55 29 56 36 57 (1965)222 127 100 63 41 1 78 29 89 71 145 (1955)201 53 151 52 11 0 245 36 58 6 138 (1945)28 1 73 4 0 0 119 6 4 0 31 (1935)96 13 275 54 9 0 453 25 18 4 157 (1925)57 21 306 30 4 1 350 8 5 12 155 (1915)(デ-タ末集計) (1905)34 11 178 22 0 0 163 3 9 3 102 (1895)16 1 99 7 0 0 80 2 1 0 67 詳細は略するが、上記に示す如く、小児疾患のスペクトルムに大きな年次変化があることが明らかになった。総デ-タにて解析を続ける予定。
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