研究課題/領域番号 |
63570431
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
朝山 光太郎 山梨医科大学, 医学部, 助手 (70129310)
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研究分担者 |
辻本 愛子 山梨医科大学, 医学部, 医員
中込 美子 山梨医科大学, 医学部, 助手 (20198055)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 代謝調節 / 抗酸化酸素 / ス-パ-オキシド / ス-パ-オキシドジスムタ-ゼ / 過酸化脂質 / 好気性代謝 / ホルモン / フリ-ラジカル |
研究概要 |
1.甲状腺機能亢進症ラットの心筋・骨格筋障害モデルでは、非酵素的にフリ-ラジカルによる連鎖反応を断ち切る抗酸化剤であるビタミンEは、ミトコンドリアの好気性代謝活性や抗酸化酵素レベルには影響を与えずに、脂質過酸化反応を抑制した。β交感神経遮断剤でβ_1作用の強い薬剤は心筋の過酸化脂質レベルを低下させ、β_2作用の強い薬剤は骨格筋に対して有効であったが、何れの場合でも好気性代謝活性の抑制によるものであった。本モデルの酸素障害は、ミトコンドリアのス-パ-オキシド産性亢進によることが判明した。 2.胎生後期ラット胎仔では肺と腎で抗酸化酵素が急激に増加した。ス-パ-オキシド・ジスムタ-ゼ(CuZnSOD及びMnSOD)の免疫組織化学染色によりSODは気道上皮及び尿細管上皮に高濃度に存在することが示され、この時期におけるこれらの上皮性組織の成長発達に伴う変化と判明した。母体に投与したデキサメサゾンは胎仔におけるこの変動を助長し、肺等の臓器の発達を促進して、未熟児の呼吸障害の予防に効果があるという臨床的事実を裏付ける成績であった。 3.雌雄ラット及び去勢ラットの成長に伴う抗酸化酵素の変動については、成長と共に全般的な酵素レベルの増加傾向があったが、CuZnSODとMnSODには内因性性ホルモンの影響は認められなかった。一方、グルタチオン・ペルオキシダ-ゼは女性ホルモンで増加して男性ホルモンで減少し、カタラ-ゼは男性ホルモンで増加して女性ホルモンで減少するという成績が得られた。生理的な細胞内のH_2O_2濃度では、前者が後者より強力なH_2O_2のスカベンジャ-であることから、この成績は抗酸化能が女性で男性よりも高く、老化が遅いことの一因であるという仮説を支持する。
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