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1988 年度 実績報告書

免疫グロブリン産生不全症のB細胞異常に関する遺伝子学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570433
研究機関岐阜大学

研究代表者

近藤 直美  岐阜大学, 医学部, 助教授 (50124714)

キーワード免疫グロブリン産生不全症 / common variable immunodeficiency / 無ガンマグロブリン血症 / 免疫グロブリン遺伝子 / B細胞分化異常 / c-myc遺伝子 / 細胞内伝達機構異常
研究概要

免疫グロブリン産生不全症のうち無(低)ガンマグロブリン血症を呈するcommon variable immunodeficiency(CVI)を対象に免疫学的・遺伝子学的解析を行った。
対象のCViの6例はいずれも無(低)ガンマグロブリン血症を呈し、pokeweed mitogen 誘導免疫グロブリン(Ig)産生系を用いた検索からB細胞異常が確認された。またB細胞は種々の方法により検索した結果、減少するものが大半を占めた。これらの患児末梢白血球からDNAを抽出し、制限酵素で切断した後Cμ鎖ブローブを用いてサザンブロットを行なったところgerm lineのDNAに関してはIg遺伝子は正常人とは全く差を認めなかった。そこで末梢リンパ球からRNAを抽出しCμ鎖プローブを用いてノザンブロットあるいはRNAドットブロットを行なっこところ、CVI6例のCμ鎖遺伝子の発現は極めてわずかであり、6例中5例では血清IgM値にほぼ平行していたが、残りの1例ではわずかながら両者間に解離がみられた。これらの結果はCμ鎖遺伝子の転写までにおける異常の存在と共に転写・翻訳の段階での異常の差を示唆するものと考えられた。さらに、これらの異常はstaphylococus aureus CowanIおよびreconbinant interleukin2(IL2)を用いた検索結果から、B細胞の活性化・増殖・分化の異常に起因することが示唆される。このB細胞の異常は細胞内でいかなる機序によるものかを、末梢B細胞やEpstein-Barrウイルス感染株化リンパ芽球様細胞(LCL)をphorbor esterやCa^<++>イオノフォアで刺激した後、c-myc遺伝子の発現をみることにより検索した。その結果、検索し得た全例においてc-myc遺伝子発現の減弱を認めた。これらの成績から、B細胞異常の1つの機序として、Ca^<++>、Cキナーゼを介する細胞内伝達機構の異常が考えられた。
次年度は以上の結果をふまえ、Ig遺伝子発現などにつき更に解析する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Roland,Tisch;Naomi,Kondo;Nobumichi,Hozumi: J.Cellular biochem.Suppl12B. 102 (1988)

  • [文献書誌] Naomi,Kondo;Hairiki,Ko;Fumiaki,Motoyoshi,Tadao;Orii: J.Rheumatol.

  • [文献書誌] 近藤直美,元吉史昭,清水信雄,金子英雄,折居忠夫: 小児科診療. 51. 1773-1778 (1988)

  • [文献書誌] 近藤直美,金子英雄,元吉史昭,京極章三,近藤宮雄,折居忠夫: 小児科診療. 51. 1790-1795 (1988)

  • [文献書誌] Naomi,Kondo;Fumiaki,Motoyoshi;Tadao,Orii: Clinical immunol Immunopathol.

  • [文献書誌] 近藤直美: "小児科診療 QUESTION & ANSWERS" 六法出版, 1128 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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