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1989 年度 実績報告書

IgA腎症の発症・進展に関与するウイルスの役割についての病態病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570448
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

鈴木 仁  福島県立医科大学, 医学部小児科学講座, 教授 (80045682)

研究分担者 神山 諭  福島県立医科大学, 医学部小児科学講座, 助手 (90177593)
鈴木 順造  福島県立医科大学, 医学部小児科学講座, 助手 (20171217)
弓削田 英知  福島県立医科大学, 医学部小児科学講座, 講師 (90136995)
加藤 一夫  福島県立医科大学, 医学部小児科学講座, 助教授 (40136990)
キーワードIgA腎症 / エンテロウイルス / ウイルス性腎炎
研究概要

IgA腎症の実験モデルを作成する目的で、マウスにウイルスを接種して、組織学的ならびにウイルス学的検討を行なった。腎炎作成のために、4週齢マウスに4週間隔で3×10^7TCD_<50>のCox.B4virusを4〜8回接種した。接種経路により静脈内および腹腔内接種の2群を作成し、それぞれ最終接種1ヵ月後に腎を採取した。腎は光顕(HE,PAS,Azan染色)、蛍光抗体法(IgG,IgA,IgM,C_3,virus-Ag)および電顕にて検討した。また、ウイルスの血清中和抗体価(NT価)の測定を行なった。静脈内接種群では、光顕的には4回接種でメサンギウム(Mes.)にPAS陽性沈着物を既に認めたが、6回接種以上では沈着物が更に多くなり、係蹄壁の不規則肥厚および半月体の形成も伴うようになった。蛍光抗体法では、Mes.にIgG,IgA,IgMがコントロ-ル群に比し強く染まり、4,5回接種ではIgGが最も強く染色されたが、6回接種以上でIgAがIgGと同程度に染まるものが認められた。virus-Agはすべて陽性で、接種回数に比例して染色程度が強くなった。電顕では、光顕を支持する所見に加え、上皮下および内皮下にも沈着物を認めた。ウイルスNT価は、4回接種(32倍)から8回接種(256倍)まで直線的に上昇した。腹腔内接種群では、光顕的には4回接種以上でMes.にPAS陽性沈着物を認め、6回接種以上では基底膜の不規則肥厚を伴ったが、静脈内接種と異なり半月体の形成はみられなかった。蛍光抗体法では、Mes.にIgG,IgA,IgMがコントロ-ル群に比し強く染まり、IgAが常に優位に染色された。virus-Agはすべて陽性であった。電顕では、静脈内接種群と同様の所見であった。ウイルスNT価は、直線的な上昇はせず、16倍から128倍で経過した。以上より、腹腔内接種群は静脈内接種群に比し組織変化は軽度であるが、蛍光抗体法による検討ではMes.にIgAが常に優位に染色され、ヒトIgA腎症に非常に類似した腎病変が得られることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 鈴木仁: "ウイルス感染と肉眼的血尿" 日本小児腎臓病学会雑誌. 2. 31-32 (1989)

  • [文献書誌] 鈴木仁: "ウイルス感染と肉眼的血尿" 小児科. 30. 237-244 (1989)

  • [文献書誌] 加藤一夫: "慢性腎炎・腎不全の進展因子" 小児内科. (1990)

  • [文献書誌] 神山諭: "ウイルス性実験腎炎-IgA腎症の実験モデルの作製-" 日本腎臓学会誌. (1990)

  • [文献書誌] 鈴木仁: "Annual Review 腎臓1990(2.ウイルス感染と腎炎)" 中学医学社, (75-81) (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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