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1990 年度 実績報告書

SLEモデル・マウスにおける異常T細胞の機能についての病因論的解析

研究課題

研究課題/領域番号 63570449
研究機関横浜市立大学

研究代表者

横田 俊平  横浜市立大学, 医学部小児科, 助手 (10158363)

研究分担者 松山 秀介  横浜市立大学, 医学部小児科, 教授 (20045983)
キーワードMRL / lprマウス / 全身性エリテマト-デス / preーT細胞抗原
研究概要

SLEを自然発症するMRL/lprマウスは、依然原因不明なヒトSLEのモデルとして有用である。今回私達は、SLE発症ときわめて密接な現象であるリンパ節腫脹を担う異常T細胞の解析より病因に迫ろうと考えた。リンパ節に集簇する異常リンパ球は、汎T細胞マ-カ-とpreB細胞マ-カ-を発現しており、T細胞lineageにおける位置が明確でなかった。そこで私たちの開発したT幹細胞を認識する単クロ-ン抗体:Scaーlを用いて検討するとlprーdnT細胞はB220と共にScaーlを発現していた。従ってlprーdnT細胞は骨髄より胸腺へ流入する前段階に位置する細胞であることが明らかになった。つぎにScaーl抗原の発現を指標にしてlprーdnT細胞の出現とSLE発症との関連を検討した。lprマウスではSLE発症前の5週齢においてすでに骨髄中にScaーl陽性細胞の増多がみられ、12週齢では胸腺・末梢リンパ器官においてScaーl陽性細胞が著増していた。ところでScaーlと他のT細胞分化抗原の発現を胸腺とリンパ節において検討すると、未梢リンパ節ではScaーl陽性細胞のほとんどはB220陽性であったが胸腺ではB220(1)/Pgpー1(ー)のScaーl陽性細胞が増多しており、同じScaーl陽性細胞でも胸腺と末梢リンパ節とでは異なる分画であることが示唆された。lpr異常T細胞の生体内器官での流入・流出のdynamicsの検討が必要であると思われたlprーdnT細胞はこれまでの検討で、ILー1/ILー2/IFNーrなどの産生がみられず、細胞障害性機能も認められていない。またアロ抗原に対する反応性もない。そこでdnT細胞の機能を検討する目的で、dnT細胞の培養上清中の生物活性因子の検索を行なった。NRK144細胞の増殖活性を指標にして検討したところ、EGF依存性にNRK144に対し増殖能をもつ分子量2万〜3万の増殖因子が同定され、TGFβ様因子であった。SLE発症におけるTGFβの役割について今後研究が必要であろう。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shumpei Yokota,et al: "Two different molecular pathways account for low interleukinー2ーR and cーmyc mRNAs expression by lpr Lytー2^ー,L3T4^ー T cells." Journal of Immunology. 141. 2145-2150 (1988)

  • [文献書誌] 横田 俊平,他: "Eavty prepulseless phaseを観察しえた小児大動脈炎症候群" 日本小児科学会雑誌. 92. 2625-2629 (1988)

  • [文献書誌] 横田 俊平,他: "HRL/lprマウス由来8.1.11.2.細胞におけるpreーT細胞抗原(Scaー2)の発現" 医学のあゆみ. 151. 699-700 (1989)

  • [文献書誌] 横田 俊平,他: "小児混合性結合組織病(MCTD)の賢障害" 日本小児科学会雑誌. 94. 920-925 (1990)

  • [文献書誌] Shumpei Yokota,et al: "Cromoglycate treatment of patieut with hyperimmunoglobulinemia E syudrome" Lancet. 335. 857-858 (1990)

  • [文献書誌] 横田 俊平,他: "MRL/lprマウスにおけるPreーT細胞抗原の発現" 臨床免疫. 22. 1281-1287 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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