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1988 年度 実績報告書

解熱鎮痛薬とミトコンドリア内膜障害の生化学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 63570451
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

小林 正紀  名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50170353)

研究分担者 杉山 成司  名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50150777)
キーワードミトコンドリア / 電子伝達系 / ライ症候群
研究概要

1.ラット骨格筋よりミトコンドリアを分離しピルビン酸脱水素酵素機能、TCA回路機能、電子伝達系酵素活性測定および免疫生化学的手法によるサブユニット(複合体I,III,IV,V)の検出の実験系を確立した。
2.本実験系へミトコンドリア毒として作用するロテノン、アンチマイシン、DCCD(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、KCNを加え電子伝達系の機能を測定したところKCNを除き、機能は対照の10%以下へ低下した。KCNの場合、機能は約10〜30%に低下した。以上より本実験系がミトコンドリア毒として働く可能性のある他の物質(バルプロ酸、アスピリンなどの薬物、プロピオン酸、イソ吉草酸などの有機酸)のミトコンドリア電子伝達系(内膜に存在)への影響をみるのに適していることが証明された。
3.本実験系へバルプロ酸を加え、電子伝達系機能を測定したが対照とほとんど変わりなかった。そのためミトコンドリアを通過しやすい形のバルプロ酸のアシルカルニチンで加えたところ30〜80%の機能低下を認めた。同様にプロピオン酸、イソ吉草酸のアシルカルニチンを加えたところ30〜70%の機能低下を認めたためライ様症候群を引き起こす可能性も示唆された。アスピリン、ジクロフェナクナトリウムの影響は、現在検討中である。
4.今後は線維芽細胞を利用して、そのミトコンドリアを分離しバルプロ酸、アスピリンなどの影響を調べライ症候群の発症機構ならびにそれら薬を投与する時の安全性について検討していきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Masanori Kobayashi: Nagoya Med.J.33. 47-64 (1988)

  • [文献書誌] Takashi Ichiki: Ann.Neurol.23. 287-294 (1988)

  • [文献書誌] Takashi Ichiki: J.Inher.Metab.Dis.11. 333-336 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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