研究分担者 |
西村 佐智子 日本大学, 医学部・小児科, 助手
戸田 顕彦 日本大学, 医学部・小児科, 助手
渕上 達夫 日本大学, 医学部・小児科, 助手
岡田 知雄 日本大学, 医学部・小児科, 講師
梁 茂雄 沼津市立病院, 小児科, 部長
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研究概要 |
〔1〕携帯型血圧記録による小児血圧の研究 携帯型長時間間接自動血圧記録計BP-100を用いて、小児の血圧測定精度と、同装置による高血圧小児への応用について検討した。(1)BP-100と大動脈直接圧との同時記録比較により、BP-100の精度は良好であった。(収縮期圧r=0.970,P<0.0001)。(2)高血圧群小児は正常血圧群小児と比べて、血圧と脈拍数との相関が低く、また夜間の血圧降下率が低下していた。(3)本態性高血圧の1例に、血圧日内変動の不明確例が認められた。本研究にて、携帯型血圧記録による小児の血圧評価は精度も良好で、かつ有用であり、高血圧小児は既に圧受容体反射がリセットされていると推定され、小児よりの高血圧予防の重要性が示唆された。 〔2〕小児におけるアポリポ蛋白の検討 小中高校生1153人を対象として、免疫比濁法によりアポA-I,A-II,B,C-II,CIII,Eの年齢別、性別の正常値と血清脂肪、リポ蛋白コレステロ-ルとの関連および動脈硬化危険因子の有無との関連について検討した。(1)男子では年齢が増すにつれA-I,A-IIが低下した。(2)性差はA-I,A-II,B,Eに著明であった。(3)HDL-C,A-Iとは正の相関を示した。(4)肥満は、A-Iの減少、B,C-II,C-IIIやB/A-I比の増加が認められた。アポ蛋白の動向を知ることにより、血清脂肪やリポ蛋白の質的評価が向上すると考えられた。 〔3〕小児の家族性高コレステロ-ル血症に関する検討 19家系36人を対象とした。(1)アキレス腱厚と総コレステロ-ル値との相関はr=0.46(p<0.01)であった。(2)黄色腫は15.3%に認めた(3)発見は学校検診が最も高率であった。(4)心筋梗塞の家系は5例に認めた。 〔4〕超音波皮脂厚計による皮脂厚値と血清脂質、運動能力の検討、肥満度で肥満と判定されても、皮質厚値が基準値を越えない学童は、血清脂質も悪くなく、運動能力も良好であった。皮脂厚測定は重要である。
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