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1989 年度 実績報告書

動物モデルによるReye症候群の病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 63570462
研究機関久留米大学

研究代表者

日高 敏博  久留米大学, 医学部, 助教授 (10113234)

研究分担者 上田 浩  久留米大学, 医学部, 助手 (50193793)
猪口 隆洋  久留米大学, 医学部, 助手 (00191891)
キーワードライ症候群 / 脂肪肝 / ミトコンドリア / 16,16ージメチル プロスタグランジンE_2 / 4ーペンテン酸
研究概要

ライ症候群は脂肪変性と機能異常を伴う重篤な肝障害に加えて脳浮腫による意識障害と痙攣を誘発する死亡率のきわめて高い原因不明の疾患である。ミトコンドリヤ異常によるとされているが肝脂肪変性や脳浮腫と同様その原因の詳細は不明である。昨年、我々は、4ーペンテン酸によるラットのライ型脂肪肝で膜内リン脂質の脂肪酸組成とプロスタグランジン(PG)合成能の異常を報告し、さらにジメチルPGE_2併用投与による脂肪肝の改善を光学顕微鏡にて証明した。まず今年度は、このジメチルPGE_2の効果を電子顕微鏡と生化学的手技により詳細を検討した。4ーペンテン酸による脂肪肝は微小脂肪滴よりなり核の偏倚がなくミトコンドリアと小胞体の異常を伴うものであり、ジメチルPGE_2併用投与により脂肪滴の減少とミトコンドリアならびに小胞体の改善さらにグリコ-ゲン顆粒の増加を認めた。肝脂質をリン脂質、コレステロ-ル、遊離脂肪酸、トリグリセリドにわけて測定したところ、4ーペンテン酸によりトリグリセリドのみの著名な増加がみられ、ジメチルPGE_2併用投与によりこの増加は優位に押えられた。4ーペンテン酸処理群で全コレステロ-ルの軽度の減少を認めた。次に脳浮腫の原因を解明するためにラット脳スライスによるヒドロキシアラキドン酸とロイコトリエン合成について高速液体クロマトを用いて検討した。脳スライスをCaイオノフォアと反応させると13ヒドロキシリノ-ル酸と12ヒドロキシアラキドン酸、ロイコトリエンCが合成される。低濃度のマルゴサ油を予め添加しておくと13ヒドロキシリノ-ル酸と、12ヒドロキシアラキドン酸の増加と幾つかの不明ピ-クが出現する。しかしながらデ-タの変動が大きく、かつ、マルゴサ油に上記脂肪酸と同じ紫外線吸収を示す物質が多数含まれているので現在のところ詳細な評価が困難であり、測定法の改善を検討中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 猪口隆洋: "ライ症候群動物モデルの肝臓での膜脂質変化とプロスタグランディン代謝" 久留米医学会雑誌. 53. 221-231 (1990)

  • [文献書誌] Toshihiro Hidaka: "Protection of 4ーpentenoic acidーinduced liver injury in rats by 16,16ーdimethyl PGE_2" J.Pediat.Gastroenterol.Nutr.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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