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1988 年度 実績報告書

新生児壊死性腸炎における活性酸素の病因的役割とその治療、予防法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570463
研究機関国立小児病院

研究代表者

倉辻 忠俊  国立小児病院, 小児医療研究センター・共同利用室, 室長 (60051728)

研究分担者 小島 正  慶応義塾大学, 医学部, 助手 (70129378)
キーワード新生児 / 壊死性腸炎 / 活性酸素 / 好中球 / 低酸素 / 仮死 / スーパーオキシド・ジスムターゼ
研究概要

1.小児、特に新生児期の活性酸素代謝の特異性
新生児は出生直後に呼吸が開始され、血行動態が胎児期より著しく変化する。活性酸素代謝の面で検討したところ、成人と異なり、新生児期には特異な現象がみられた。例えばスカベンジャーの産生誘導において特徴的で、マンガン-スーパーオキシド・ジスムターゼ(SOD)は、新生児期に著しく低値で、日令と共に上昇する事実を見出した。これはin vitroの組織培養においても確認された。他方、銅・亜鉛-SODは成人と大差がなかった。一例として川崎病の病態と酸素障害の関係で新知見を報告した。
2.胎児小腸上皮細胞、結腸上皮細胞培養
環境を通常の5%炭酸ガスの他に、窒素ガス分圧を上げることにより酸素分圧を各種変えて、小腸、結腸上皮細胞を培養した。培養器の酸素分圧を10%まで下げても上皮細胞の分裂増殖や、[^<14>C]アミノ酸の取り込みに変化は見られなかった。しかしその後酸素分圧を21%に戻し、さらに40〜60%へ上げると、酸素濃度依存性に[^<14>C]アミノ酸の上皮細胞への取り込みが増加した。しかしこの時同時に上皮細胞のSOD産生誘導は余り変化せず、過酸化脂質量も増加した。この結果は新生児期のSOD産生誘導は、環境によって著しく異なり、壊死性腸炎の病因の一つに低酸素環境後の高酸素による酸素障害があることの証拠である。
3.新生児マウスの実験的壊死性腸炎
新生児壊死性腸炎の病因には、栄養過誤説、感染説、循環障害説、酸素障害説等々いろいろあるが、いずれも単一では説明がつかない。我々は新生児壊死性腸炎患者から分離したClostridium difficileを用いて、その病因を循環障害、酸素障害との関連において研究を続けている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kuratsuji,T.;Shinomiya,N.;Yata,J.: Cellular lmmunology. 118. 239-249 (1989)

  • [文献書誌] Kuratsuji,T.;Ojima,T.;Kobayashi,N.,et al: Oxygen Radicals Biol Med. 997-1003 (1989)

  • [文献書誌] 倉辻忠俊: 臨床検査. 33. 299-307 (1989)

  • [文献書誌] 倉辻忠俊: 炎症. 6. 439-442 (1988)

  • [文献書誌] 倉辻忠俊: 臨床免疫. 20. 740-746 (1988)

  • [文献書誌] 倉辻忠俊: 臨床検査. 32. 636-640 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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