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1988 年度 実績報告書

尋常性乾癬表皮における細胞膜を介する情報伝達機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570464
研究機関旭川医科大学

研究代表者

飯塚 一  旭川医科大学, 医学部, 教授 (90113513)

研究分担者 梶田 哲  旭川医科大学, 医学部, 助手 (20152647)
筒井 真人  旭川医科大学, 医学部, 助手 (10172032)
キーワード尋常性乾癬 / アデニル酸シクラーゼ / G蛋白質(guanine nucleotidl binding protein) / プロテインキナーゼC / tumor promoter / TPA(tetradecanayl phonbol acetate)
研究概要

我々はまず尋常性乾癬表皮におけるコレラ毒素ならびにフォルスコリンによるcyclic AMP上昇作用を検討した。コレラ毒素はアデニル酸シクラーゼのtransducerであるG蛋白質に働き、またフォルスコリンは酵素本体(C)に働きcyclic AMPを産生させる。乾癬表皮においてはコレラ毒素、フォルスコリンのいずれも,cyclic AMPを上昇させ、この作用はphosphodiesterase inhibitorであるIBMXの存在下で増幅された。乾癬皮疹部、無疹部ならびに正常表皮を比較すると乾癬皮疹部においてコレラ毒素およびフォルスコリンによるcyclic AMP上昇作用が有意の差をもって高かった。乾癬無疹部と正常表皮を比べると前者が傾向としてより高い値を示したが、正常表皮と比べ有意の差とはならなかった。乾癬表皮においては従来、主要な受容体系であるβ-adrenergic adenylate cyclase の反応性の低下が報告されており、我々の結果とあわせると、乾癬皮疹表皮ではβ-adrenergic receptorそのものか、receptorとG蛋白質の相互作用に問題があるものと推定された。以上の結果は、Journal of Investigavive Dermatologyに論文として掲載された。
従来、tumor promotorであるTPA(tetradecanoyl phorbol acetate)を表皮にぬると表皮細胞増殖の亢進がもたらされる事が知られている。TPAは最近protein kinase Cを介して、その作用をあらわすと推定されており、乾癬表皮においてもprotein kinase Cの活性化が考えられる事から、TPA処理表皮、乾癬皮疹部表皮の類似性が注目されている。我々は表皮をTPAで処理する事により、フォルスコリンによるcyclic AMP上昇作用とβ-adrenergic adenylate cyclaseの反応性の低下を見出し、この作用がprotein kinase Cを介している事を示した。以上の結果は現在J.Invest.Dermatolに投稿中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hajime,Iizuka: The Journal of Investigavive Dermetology. 91. 154-157 (1988)

  • [文献書誌] Hajime,Iizuka: The Journal of Investigative Dermetology.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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