研究課題/領域番号 |
63570477
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
勝岡 憲生 北里大学, 医学部, 講師 (20146476)
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研究分担者 |
稲村 圭一 北里大学, 医学部, 助手 (70193563)
衛藤 光 北里大学, 医学部, 講師 (20137920)
竹崎 伸一郎 北里大学, 医学部, 講師 (40129250)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 生長期毛 / 培養毛乳頭細胞 / アンドロゲン受容体 / dihydrotestosterone / DNA合成 / 蛋白合成 / 単クロ-ン性抗体 |
研究概要 |
ヒト健常頭皮の生長期毛から分離した毛乳頭を培養し、遊走・増殖した培養毛乳頭細胞(PC)について、アンドロゲン受容体(AR)の局在を検索した。毛乳頭の培養はすでに筆者が報告した方法に準じた。 20〜40才の男女各10名より頭頂部健常頭皮の組織片を得、毛乳頭を分離し培養した。増殖したPCにおけるARの局在をdihydrotestosterone(DHT)peroxidase conjugateを用いたcytochemical staining法を用いて検討した。その結果、PCの核に明らかに染色陽性の所見を得た。腋毛由来のPCについてもほぼ同様の結果を得た。比較対照した同一組織片由来の培養線維芽細胞では染色不明暸であった。PCの染色所見において性差は明らかでなかった。一方、PCの培養系にDHTを添加し、細胞増殖、DNA合成、蛋白合成に及ぼす影響について検討した。その指標として細胞数、チミジン取り込み量、プロリン取り込み量を測定した。培地に1μg/m/の濃度でDHTを添加した場合、PCではその何れの反応も促進される傾向を示した。対照の線維芽細胞ではDNA合成および細胞増殖は抑制され、PCとの間には有意な差が認められた。以上、PCの核にARが存在することが示唆され、有効濃度のDHT添加は、PCのDNA合成、蛋白合成を促進する効果があることが明らかとなった。生体においてアンドロゲンが毛乳頭細胞を介して毛上皮組織に作用し、毛周期に変化をもたらす可能性があることが示唆される。 Balb/CマウスをPCで免疫した後、SP2/0細胞を用いて細胞融合法によりハイブリド-マを作製し、単クロ-ン性抗体の作製を試みた。数種の抗体が得られたなかで、typeI,IIIあるいはIV collagenを認識する体、脂腺細胞を認識する抗体など興味ある抗体が検出された。しかしまだ毛乳頭細胞のみを標識する特異抗体は得られていない。今後の課題である。
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