研究課題/領域番号 |
63570480
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
飯島 正文 昭和大学, 医学部・皮膚科教室, 助教授 (20010449)
|
研究分担者 |
大田 結実 昭和大学, 医学部・皮膚科教室, 助手
小倉 美代子 昭和大学, 医学部・皮膚科教室, 助手
|
キーワード | 表皮Langerhans細胞 / 組織培養 / CTL誘導におけるAPC機能 / Ia抗原 / 輸血後GVHD / 免疫組織学的迅速診断 / 多型滲出性紅斑 |
研究概要 |
1)LCのAPC機能亢進に及ぼす至適組織培養条件についての検討 LCは骨髄由来の樹枝状表皮細胞であり、免疫学的には類似のMφと同様、Ia^+APCとして機能する。マウスを用いたin vitro CTL誘導におけるLCのAPC機能を検討した結果、脾のMφと表皮LCとの間、また耳LCと尾LCの間に存在する明らかな機能的異質性[Mφ>耳LC>尾LC]を見出し、これは既に報告した。すなわち、CTL誘導の混合培養直前にマウス皮膚をtrypsin処理して得られた新鮮な耳LCはCTLを誘導できるが、尾LCは誘導できない。昨年度の研究では混合培養に先立つ2〜3日間の表皮培養のin vitro組織培養により、培養尾LCにも耳LCと同等のAPC機能が復活すること、また培養耳LCは新鮮耳LCに比較して飛躍的に亢進したAPC機能を発揮することを見出した。今年度はこの様なLCのAPC機能の機能的成熟に及ぼす至適培養条件について詳細に検討した。結果:(1)至適培養期間は48時間。(2)表皮細胞を単細胞化処理後組織培養するより表皮-真皮シ-トの状態で培養した方がLCのAPC機能ははるかに亢進する。(3)単細胞化処理後表皮細胞に真皮を添加して培養することにより、(2)の違いが解消する。考按:組織培養によるLCの機能的成熟には従来からの角化細胞由来因子に加え、真皮由来因子がさらに重要であることが証明された。 2)輸血後GVHD早期鑑別診断の免疫組織学的迅速診断法の提唱 術後紅皮症-輸血後GVHDは殆んどの場合致死的なだけに早期診断が重要である。GVHDでは誘導されたCTLが最初にLCを障害し、次いで角化細胞が細胞障害の標的となるが、同様の病態を示す疾患との鑑別はしばしば困難である。我々は今回、臨床・組織学的にGVHDとの鑑別上問題となるEEM型疾患について(1)角化細胞のHLA-DR陽性像(2)LCの有無(3)表皮内へのCTL浸潤像を免疫組織学的に検討し、皮疹の発症初期から輸血後GUHDを考慮に入れた早期診断のための免疫組織学的迅速診断法を提唱した。
|