昭和63年度の研究実績概要 1)メルケル細胞(メルケル細胞・神経複合体)の生物学的性状について。材料はマウス表皮(毛盤を用いた)。(1)光顕レベルによる免疫組織化学では、以下はいずれもメルケル細胞・神経複合体に陽性であった(いずれもABC法を用いた)。(1)neuron specific enolase(NSE)(2)met-enkephalin(3)HGPRTase(2)陽性部位(光顕)の電顕レベルでの同定(いずれももどし電顕法を用いた)。(1)、(2)、(3)いずれも、メルケル細胞に附着する神経終末にのみ陽性であった。一方メルケル細胞自体はメルケル細胞か顆粒も含めて陽性所見はみとめられなかった。 2)サイトケラチンPKK3のモノクロナール抗体を用いた免疫組織学的検討。 メルケル細胞の細胞質には強陽性の所見をえた。一方、メルケル細胞に附着する神経終末や毛盤ケラチノサイトは陰性であった。 3)メルケル細胞癌に関して 当該年度内には、当研究室ではメルケル細胞癌の経験はなく、waitingの状態である。それ故、メルケル細胞癌の臨床的特性ならびに生物学的性状の検討は予定よりやや遅延している。
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