研究課題/領域番号 |
63570484
|
研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
伊藤 祥輔 藤田学園保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (70121431)
|
研究分担者 |
若松 一雅 藤田学園保健衛生大学, 衛生学部, 講師 (80131259)
井上 茂樹 藤田学園保健衛生大学, 衛生学部, 講師 (30084601)
|
キーワード | メラニン / 悪性黒色腫 / ド-パ / HPLC |
研究概要 |
1.悪性黒色腫の生化学的マ-カ-としてのユウメラニン代謝物の有用性 悪性黒色腫患者の尿を分析するうち、未知の代謝物を含む1例を見い出した。この尿を、酸、アルカリ、グルクロニダ-ゼにより水解した結果などから、未知物が5H6MI2C及び6H5MI2Cのグルクロン酸及び硫酸抱合体であることが証明された。これらのうち、6H5MI2Cのグルクロン酸抱合体が最も高濃度であり、正常尿中の6H5MI2Cの濃度の100倍以上であった。B16黒色腫を移植したマウスの尿中にはグルクロン酸抱合体は検出されず、硫酸抱合体のみが検出された。 2.悪性黒色腫組織中、血中、及び尿中のメラニン関連代謝物の量的な相互関係 B16黒色腫を移植したマウスについて、腫瘍、血清、及び尿中のメラニン関連代謝物の量的な相互関係を調べることにより、黒色種の生化学的指標としての有用生を比較した。まず、血清中のインド-ル(5H6MI2C+6H5MI2C)の定量法を開発した。血清中ではインド-ル及び5-S-CD濃度はほぼ同じレベルであり、腫瘍重量との間には高い相関が認められた(r=0.92,0.89)。一方、尿中インド-ル及び5-S-CDは有意の相関を示さなかった。従って、検体として尿よりも血清を用いたほうが、腫瘍の進展度をよりよく反映する可能性が示唆された。また、インド-ル:5-S-CD比は、腫瘍では0.16、血清では1.7であり、腫瘍中では5-S-CDがメラニンに結合していることが示唆された。 今後は、健常者及び黒色腫患者において、血清、尿中インド-ル、5-S-CDの4種のマ-カ-を測定し、移転の早期診断並びに化学療法の効果の判定における有用性を比較検討したい。
|