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1989 年度 実績報告書

NMR分光方による腫瘍の放射線治療効果の評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570486
研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 正光  東京大学, 医学部(医), 助手 (80176362)

研究分担者 鈴木 捷三  東京大学, 医科学研究所, 助手 (30012743)
吉川 宏起  東京大学, 医学部(病), 講師 (40114714)
斉藤 肇  国立がんセンター, 研究所, 室長 (30100150)
鈴木 紀夫  東京大学, 医学部(医), 教授 (10010050)
キーワード放射線照射 / 分割照射 / X線 / ニュ-トロン / 腫瘍組織 / 先行指標 / NMR分光方 / エネルギ-代謝
研究概要

前年度にひき続き,In Vivo ^<31>PMRS法を用い放射線照射による腫瘍反応について解析を進めた。
前年度のX線によるdose responseをふまえ、ニュ-トロン照射(東大医科研サイクロトロン6MeV)を試みた。よく知られているように、ニュ-トロンは、X線に比べOER(酸素効果比)が低く、LET(線エネルギ-付与)も高い値をとる。X線では放射線抵抗性を示す腫瘍組織内の低酸素細胞も、酸素に富む細胞と同じ効果をもたらす効果が期待される。増殖曲線では、10Gy,20Gy両者とも著明なgrowth delayを認めた。MRSでは、照射後Pi(無機リン)/PCr(クレアチンリン酸)の上昇を認め、高値は2日程持続した。X線照射と同様、3日目にて、エネルギ-状態の回復とみられる所見を呈したあと、しだいに上昇傾向を呈した。総じて、X線照射に比し、より低い線量にて同様な効果を認めた。また細胞内pHは、常にコントロ-ルに比しアルカリ化傾向を示し、従来の生化学的手法による解析と一致する結果を得た。
均等分割照射(X線照射:2.5Gy×20回、5Gy×10回)にて、単独照射(50Gy)に比しMRS上の変化はmildであった。また両者に顕著な差は認めなかった。
2回分割照射(25Gy×2回:4時間間隔、24時間間隔)では、照射2-3日後にて、エネルギ-状態の回復を呈したが、両者に差は認めなかった。1週間後にては、24時間間隔照射にて十分なATD等の回復を認めた。
現在放射線治療では、種々の生物学的因子を考慮した時間的線量配分方が考えられている。これら生物学的因子をモニタすることにより、腫瘍組織の感受性を解析することで、時間的線量配分法の基礎研究にも重要な寄与をするものと思われる。

研究成果

(4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Itoh,M.: "Change of Energy Status Following 42 and 45 Hyperthermia on Murine NR-S1 Tumor Using In Vivo P-31 NMR Spectroscopy." in press.

  • [文献書誌] Itoh,M.: "Response of Murine NR-S1 Tumor Following X-or Neutron irradiation Monitored by P-31 NMR Spectroscopy." in preparation.

  • [文献書誌] Itoh,M.: "Responses of Bone and Soft Tissue Sarcomas to Pre-operative Chemotherapy Monitored by P-31 NMR Spectroscopy." Jpn.J.Nuclear Medicine.

  • [文献書誌] Itoh,M.: "NMR Spectroscopy of Neoplasm." 癌と化学療法社, 5 (1989)

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公開日: 1993-03-25   更新日: 2016-04-21  

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