研究課題/領域番号 |
63570498
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
日下部 きよ子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (80075473)
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研究分担者 |
相羽 元彦 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (30051775)
廣江 道昭 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80101872)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | モノクロ-ナル抗体 / メラノ-マ / 放射免疫検出法 / 放射免疫治療法 |
研究概要 |
モノクロ-ナル抗体(MoAb)は特異性が高い反面、同一腫瘍であっても、その一部分にしか結合しないことがこれまでのinViVoの実験で確認された。そして腫瘍内に壊死を作りながら発育する腫瘍においては特に壊死への集積が高いことが^<125>I(又は^<131>I)標識抗メラノ-マ抗体を用いた研究で証明された。そこで我々は、特に腫瘍内壊死への抗体集積の機序を特異性に注目し、MoAbの腫瘍内分布を観察した。メラノ-マ移植マウスに^<125>I(または^<131>I)標識抗メラノ-マ抗体またはコントロ-ルとして抗リンフォ-マモノクロ-ナル抗体(IgM)を投与し、メラノ-マへの集積率を経時的に測定した。コントロ-ル抗体の生体内分布は肝臓、腎臓そして腫瘍共、経時的に集積率(%dose/g)が減少し、腫瘍/血液比は1.5〜2.1のほぼ一定の値を保った。特異抗体の内、特にM2590は、集積率の経時的減少率が低く、投与後5日および7日は肝臓、腎臓に比べ集積率が高かった。そして腫瘍/血液比は5日、7日と漸次高くなり、平均値はコントロ-ルIgMの2倍を越えた。腫瘍への集積率はM2590では2.0グラムまで重量に相関して高くなったが、コントロ-ル抗体では明らかな相関はみられなかった。しかし、壊死巣へのM2590の集積は明らかな重量との相関を示さず、小さくても高い集積率を示すケ-スがみられた。以上の結果からMoAbは非特異的にも腫瘍に集積するが、肝臓、腎臓と同じ経時的減少率を示し、血液比もほぼ一定である。これに対し、特異抗体は投与後5日、7日と血液比が大きくなり、経時的減少率が低い。そこで臨床的にヒト由来の同種同系のMoAb(IgM)を使用する場合は、投与後5日〜7日が腫瘍への非特異的結合も減り、至適撮像時間と考えられた。腫瘍内壊死への特異抗体および非特異抗体の集積に関しては、更に、経時的変化を観察した上で、ミクロオ-トラジオグラムを含めて検討を加えていく。
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