研究課題/領域番号 |
63570504
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 雅俊 大阪大学, 医学部, 助手 (00179649)
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研究分担者 |
多田 國利 大阪大学, 医学部, 講師 (80135681)
播口 之朗 大阪大学, 医学部, 助教授 (10028459)
西村 健 大阪大学, 医学部, 教授 (70028455)
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キーワード | アルツハイマ-病 / 線維芽細胞 / ビメンチン / フォドリン / 中間径線維 / マイクロチュブル / マイクロフィラメント / 診断法 |
研究概要 |
アルツハイマ-病患者から培養した線維芽細胞について研究して以下の結果を得た。 1.アルツハイマ-病線維芽細胞はその増殖期においては正常細胞と形態・増殖速度は同じであったが、線維芽細胞が増殖を停止した状態では特徴的な細胞骨格の変化を示していた。 2.アルツハイマ-病線維芽細胞の接着性は、正常細胞と比較して低下しており何らかの細胞表面の変化が示唆された。 3.アルツハイマ-病線維芽細胞の細胞骨格蛋白のうち、マイクロチュブルおよびマイクロフィラメントの分布には大きな変化が認められなかったが、ビメンチン線維の配列に特徴的な変化が認められ、ビメンチン線維と細胞表面との結合が変化を受けているものと推察された。 4.細胞膜裏打ち構造を形成している蛋白のなかで、フォドリン蛋白の分子量が変化していることが示され、アルツハイマ-病線維芽細胞においては、細胞表面の構造の異常が強く示唆された。 以上の結果は、アルツハイマ-病の病理的過程が脳内にかぎらず広く全身の組織・細胞に認めらることを示しており、本研究の成果はアルツハイマ-病の診断に役立ち得るものであると共に、アルツハイマ-病の病態の研究に線維芽細胞が使用できる可能性を示したものである。現在、線維芽細胞を用いたアルツハイマ-病の診断法に関する研究が進行中であり、このような研究成果は現在必要とされているアルツハイマ-病の生物学的診断法を大きく発展させ得るものと考えられる。
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