研究課題/領域番号 |
63570507
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
細川 清 香川医科大学, 医学部, 教授 (70093698)
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研究分担者 |
徳田 雅明 香川医科大学, 医学部, 助手 (10163974)
板野 俊文 香川医科大学, 医学部, 助手 (60145042)
松井 秀樹 香川医科大学, 医学部, 助教授 (30157234)
畠瀬 修 香川医科大学, 医学部, 教授 (50033220)
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キーワード | パーキンソン病 / 脳細胞移植 / ドーパミン |
研究概要 |
片側黒質に6-ハイドロキシドパミンを投与して、パーキンソン病モデルラットを作成した。モデル動物が作成されたか否かは、ドパミンアゴニストであるアポモルフィンや、ドパミン検出促進物質であるアンコェタミンを投与し、障害の反射側又は同側への回転運動がおこるか否かで判定した。この成功率は75%前後であった。 このモデル動物の線条体内のドパミン及びその代謝物を、脳内微小透析法を用いて測定したところ、障害側ではほとんど検出不可能であったが健側では正常値であった。 次に自己副腎髄質を提出し、四分割し、ブロックのまま線条体に移植したところ、回転行動に改善がみられたが、作用は持続せず、一カ月後にはもとの状態に復した。一方、胎児中脳黒質細胞を移植したラトは回転運動の改善がみられ、その硬化は長く持続している。この差を組織学的に検討すると副腎髄質由来の細胞片の移植では、そのほとんどがグリアにとりかこまれており、脂肪組織化していた。一方、黒質細胞移植片は首位の細胞とシナプス様の結合を行い、また微小透析法でもドパミンとその代謝物濃度も改善されていた。 では何故このような差異が生じたのかを現在検討中であるが、神経細胞の静着、シナプス形成、増殖に関与するタンパク質性の因子等の存在が予想される。これらの因子を分離・精製する目的で蛋白質・ペプチドを通過させる血漿交換用ホローフィバーを用いて、新しいプローブを開発し、脳内微小透析法を行い、数種類のタンパク質を検出する一方、既に定量法が確立しているソマトメジンCの脳組織液中の濃度を測定し各部位によってその含量が異なることを明らかにした。次年度はらさにこれらの蛋白性因子についても解析を行なう予定である。
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