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1989 年度 実績報告書

覚醒剤中毒患者の尿中排泄βーフェニルエチラミンの測定とその臨床的意義

研究課題

研究課題/領域番号 63570513
研究機関久留米大学

研究代表者

山田 茂人  久留米大学, 医学部, 助教授 (20158190)

研究分担者 石橋 正彦  久留米大学, 医学部, 助手
横尾 秀康  久留米大学, 医学部, 助手 (00174847)
西 彰五郎  久留米大学, 医学部, 教授 (00080557)
キーワードβーフェニルチチラミン / メタンフェタミン中毒 / フェニル酢酸 / ラット
研究概要

βーphenylethylamine(PEA)およびその代謝産物であるphenylaceticの尿中排泄に及ぼすMethamphetamine(MAP)の影響を調べるために代謝ケ-ジを使った動物実験を行った。すなわちMistar系雄性ラット(体重180ー220g)を食物、水を自由に摂取でき、24時間尿を採取できる代謝ケ-ジで一匹ずつ飼育した。飼育開始後3日間は基礎排泄量測定のため24時間尿を採取した。3日目にMAPを2mg/kg、あるいは4mg/kg腹腔内投与し同様に24時間尿を続く3日間採取した。測定はPEAはGCーMSにて行いPAAはgas chromatographyにて行った。測定法の詳細は前述した方法に依った。PEAの基礎排泄量は2.2±0.52μg/dayであり4mg/kgのMAPを投与した場合PEAの排泄量は21%の増加がみとめられた。この時MAP排泄量とPEA排泄量には高い相関が認められた。一方2mg/kgのMAPを腹腔内投与した場合PEA排泄量は逆に16%の減少が認められ、一方PAA排泄量は34%の増加を認めた。この時MAP排泄量とPEA排泄量には何等相関は認められず、一方MAP排泄量とPAA排泄量には正の相関が認められた。以上のようにMAPの投与量に依ってPEA排泄に逆の結果が認められ、PAAの排泄はMAPの投与量にかかわらず増加が認められたことはBorisonらが報告しているようにMAPはPEAの産生と分解をどちらも促進されるという報告と矛盾しない。これは前年度に報告した臨床研究で覚醒剤中毒患者尿中PEAは健常者に較べ低値であり、MAP排泄量とPAA排泄量に正の相関が見いだされた事実は今回の動物実験の2mg/kg投与の場合に相当すると思われる。PEAの分解が非常に早く尿中に排泄されるPEA量を規定する因子が複雑であることからMAPのPEA代謝に及ぼす影響を観察するには最終代謝産物であるPAAの測定が必要であることを示唆している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 山田茂人,猪口隆洋,石橋正彦,横尾秀康,三木浩司,横山敏登,小島秀樹,西彰五郎,稲永和豊: "GCーMSによる生体試量中のMethamphetamine,2ーphenylethylanmineの同時定量" 日本医用マススペクトル学会講演集. 13. 161-164 (1988)

  • [文献書誌] 山田茂人,石橋正彦,三根芳明,猪口隆洋,横山敏登,西彰五郎,稲永和豊: "メリンフェタミン慢性中毒患者作中のメタンフェタミンとフェニルエチラミン排泄" 薬物・精神・行動(Jpn.J.Psychopharmacol). 8. 151-152 (1988)

  • [文献書誌] 山田茂人,石橋正彦,西彰五郎,横尾秀康,横山敏登: "慢性覚醒剤中毒患者尿中の2ーphenylethylamineとphenylacetic acidの定量" 薬物・精神・行動(Jpn J.Psychopharmacol.). 10. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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