研究概要 |
我々は従来よりアポEの研究を行ってきた。今年度はウサギアポEのモノクローナル抗体を作製して,アポBを含むリポ蛋白を2種のリポ蛋白すなわちアポBとアポEを含むB.EparticlesとアポEを含まないBparticlesに分離しようと試みた。ウサギアポEをコレステロール負荷したウサギよりヘパリン・セファロースカラムを用いて精製し,マウスに免疫した。常法によりモノクローナル抗体を作製して,6種類のクローンを得ることかできた。これら6種類のクローンを用いてリポ蛋白との結合能を調べた所,特に3クローンに強い結合能をみとめた,この3クローンのなかでも特にクローン5に最も強い結合能をみとめたので,immuno-affirityカラムを作製した。ウサギVLDLをカラムにApplyした所,約30%のVLDLがカラムに吸着した。すなわち,70%がアポEを有するB,Eparticlesであり,30%がアポEを有しないBparticlesであった。モノクローナル抗体により全てのB,E粒子がカラムに吸着されているかどうかをチェックする目的で,カラムのbreak-through部分のアポE定量を行った。アポEの定量には,2種のモノクローナル抗体を用いたサンドイッチ法によった。第1の抗体にクローン3を用い,第2の抗体としてクローン5を用いた。クローン5はビオチニル化しアビジン・ペルオキシダーゼの結合量としてアポEを定量した。カラムには約15mgの抗体を用い,このカラムは最大4mlのウサギ血漿が吸着された。モノクローナル抗体を用いた時,ポリクローナル抗体と異なり吸着されたB,Eparticlesをintactに回収することができる点が有利である。 現在,カラムのcharacterizationを更に行い,B及びEparticlesの生化学的特長を明らかにしようとしている。さらにこれらのparticlesのLDLVセプター結合などを明らかにしたいと考えている。
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