研究課題/領域番号 |
63570541
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
岩本 安彦 自治医科大学, 医学部, 講師 (60143434)
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研究分担者 |
粟田 卓也 自治医科大学, 医学部, 助手 (40184303)
葛谷 健 自治医科大学, 医学部, 教授 (80048959)
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キーワード | 異常インスリン血症 / インスリン遺伝子 / インスリン和歌山 / プロインスリン分泌 |
研究概要 |
1.異常インスリン血症の家系内における糖尿病発症者と未発症者におけるプロインスリン分泌 異常インスリン血症で糖尿病を発症している発端者と、糖尿病未発症の本症患者(発端者の娘)について、グルコ-ス負荷試験を行い、インスリン分泌とともに、我々の開発したヒトプロインスリンのラジオイムノアッセイによるプロインスリン分泌の測定を行った。糖尿病を発症している発端者ではプロインスリンの過剰分泌がみとめられ、高血糖によりB細胞が過大に刺激されている状態では、プロインスリン分画を多く含む未熟なB細胞顆粒が動員されている可能性が示唆された。糖尿病発症のハイリスク群におけるB細胞の機能状態と糖尿病の発症・悪化の関係を検討する1つの臨床的なモデルと考えられた。 2.ラット単離腎灌流系における[Leu^<A3>]インスリンの動態 正常インスリンによる予備実験を終了した段階で、この実験を担当していた共同研究者の他施設への異動により、異常インスリンを用いた本実験の遂行が困難となった。この点、今後、継続して進めるように努めたい。 3.本症発端者生検膵の免疫細胞学的検討 [Leu^<A3>]インスリンと正常ヒトインスリンを識別しうるモノクロ-ナル抗体(1種類)を用いて、本症発端者の生検膵組織の間接蛍光抗体法を行い、B細胞の蛍光に差がみられないことを確認した。このことはB細胞が正常インスリンと異常インスリンを両方合成していることを示唆している。今後、本症患者膵にみとめられたアミロイドの沈着について、最近注目されているアミリンとの関連について検討したい。
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