研究課題/領域番号 |
63570553
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
高松 順太 大阪医科大学, 医学部, 講師 (00140137)
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研究分担者 |
北岡 治子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00214784)
大澤 仲昭 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90010090)
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キーワード | バセドウ病 / T_3優位型バセドウ病 / トリヨ-ドサイロニン / 甲状腺ペルオキシダ-ゼ / 甲状腺刺激性抗体 / 甲状腺 / 脱ヨ-ド酵素 / アイソト-ブ治療 |
研究概要 |
1.甲状腺組織のin vitro実験として、マイクロゾ-ム分画を各健者の甲状腺組織からとり出し、これを多数のバセドウ病甲状腺から抽出しておいたサイログロブリン中に加え、この反応によって生成されるT_4およびT_3量を測定すると、T_3優位型バセドウ病患者では、通常のタイプのバセドウ病患者と異なり、T_3を有〓に多く産生することが認められた。この成績から、本症甲状腺のマイクロゾ-ム分画すなわちペニオキシダ-ゼは、T_3をより優位に生成せしめるという、ユニ-クな特徴を有していることが示唆された。 2.末梢組織でのT_4からT_3への転換酵素活性が高まっているか否かを調べる目的で、抗甲状腺剤のみならず合成T_4剤をも併用内服させ,T_3優位型バセドウ患者の血中T_3/T_4比を追跡した。このようなblock and replace法への変更により、本症患者で増加していた血中T_3/T_4比(正常:10〜20mg/μg)は、大部分の症例で低下し、併用療法開始3カ月目には20以下の正常域となった。この成績から、T_3優位型バセドウ病におけるT_3過剰産生の場は、末梢組織の脱ヨ-ド酵素活性にあるのではなく、甲状腺自身であることが示唆された。 3.ブタ甲状腺培養実験において、T_3優位型バセドウ病患者のIgGは、通常バセドウ病患者に比べ、cyclic AMP増加の反応が強いことが認められた。この原因として、甲状腺刺激性IgGの量的な差異が主要なものであると考えられる。 4.本症に対する治療方法のガイドラインを作成中である。内科的治療を強く望む患者に対しては、上述のblock and replace法に変更する。手術を希望する例に対しては、通常より術後甲状腺機能低下症を来たしやすいことを説明しておく。アイソト-プ( ^<131>I)治療は、本症では晩発性甲状腺機能低下症を来たしにくいので、勧められる。
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