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1988 年度 実績報告書

骨髄移植後の抗ウイルス抗体産生に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570564
研究機関東京大学

研究代表者

幸道 秀樹  東京大学, 医科学研究所, 講師 (80161876)

研究分担者 白藤 尚毅  東京大学, 医科学研究所, 助手 (00206301)
家城 隆次  東京都立駒込病院, 内科, 医員 (60168086)
片桐 拓也  東京大学, 医科学研究所, 助手 (70126100)
浅野 茂隆  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50134614)
キーワード骨髄移植 / 特異抗体 / GVHD / ポリオウイルス / ワクチン接種
研究概要

骨髄移植は悪性疾患などの根治療法として理想的なものであるが骨髄移植後の日和見感染症(ウイルスなどによる)が問題となっている。本研究はこの問題をドナー由来の細胞による免疫学的再構築の観点からとらえ,実施されたものである。
(1)骨髄移植を受けたヒトにおける血清ポリオ抗体の経時的変化:血清中の特異抗体価は1年を越えても維持されている症例が多くみられた。骨髄移植直後から数ヵ月の間の抗体は移植前から血清中にあった抗体の残存と、移植骨髄に含まれる分化したB細胞からの産生されたものの総和と考えられる。レシピエント由来の抗体は数ヵ月で消失することが明らかになっているのでその後はドナー由来の抗体であろう。この抗体のレベルはGVHDには影響を受けずむしろ高い例もあった。(2)in vitroのリンパ球の活性:GVHDはときにさまざまなサイトカインが産生されて抗体産生に影響を与えていることが想定される。そのin vitroモデルとしてリンパ球混合培養やキメラマウスを用いて先ずIL-2を測定した。しかし検出されるIL-2はごく微量であり、少なくともIL-2を介して影響を与えている可能性は少ないと考えられた。(3)ワクチン接種の影響:骨髄移植を受けた患者でポリオに対する特異抗体レベルの低い患者にポリオ死菌ワクチンを接種した。接種したのは3例であるがすべてに良好な特異抗体の産生がみられた。そのうちの1例は慢性GVHDを合併していたがやはり反応は良好であった。
これらのことから骨髄移植患者では抗ウイルス抗体は少なくともポリオに限っては概ね良好な例が多く、低い場合でも新たな抗原刺激により抗体が産生されることが判明した。またGVHDはこの特異抗体産生の障害とはならないようである。この成績は骨髄移植患者のワクチン接種につながるもの。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 幸道秀樹: 臨床血液. 28(10). 1892-1893 (1987)

  • [文献書誌] Hideki,Kodo: Acta Haematologica Japonica. 50(8). 1621-1626 (1987)

  • [文献書誌] K.Oshimi: Blood. 71(2). 473-479 (1988)

  • [文献書誌] Hideki,Kodo: Lancet. 8601. 38-39 (1988)

  • [文献書誌] Hideki,Kodo: Cancer Chemotherapy. 3. 103-107 (1988)

  • [文献書誌] Kiyoshi,Watari: Blood. 73(1). 117-122 (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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