純度90%以上のエイコサペンタエン酸(EPA、トリグリ型)の10%エマルジョンを5羽の3〜3.5kgのラビットへ30ml静注し、静注前、静注後、静注6、24、168時間後に採血し、多形核白血球を分離した。この白血球をカルシウムイオノフォアで刺激し、ロイコトリエン(LT)B_4およびLTB_5を産生させ、高速液体クロマイトグラフィ-にて定量した。なお、コントロ-ル実験として、EPAエマルジョンの代わりに市販の大豆油を原料とした10%エマルジョンを5羽のラビットに静注した。 平均LTB_4産生量はEPAの静注6、24、168時間後に前値のそれぞれ60%、72%、86%となり、6時間後には有意に低下していた。一方LTB_5の産生は、前値では測定限界以下であったが、6時間後にはLTB_4と同等量に産生され、以後低下した。また、大豆油を30ml静注したコントロ-ルラビットでは、投与後もLTB_4の産生量は全く変化せず、LTB_5は実験期間中検出されなかった。 次に静注後、もっと早くEPAの効果が出現する可能性もあるため、上記の実験を繰り返した。ただし、採血時間は静注の前、1、6時間後とした。結果は投与1時間後にはLTB_4産生は前値の77%で、6時間後には42%(p<0.05)となり、やはり六時間後にLTB_4の産生が最低となった。同時に行ったコントロ-ル実験(大豆油を使用)ではLTB_4の産生は変化せず、LTB_5は検出されなかった。
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