1.コラ-ゲンの血小板膜62kD蛋白(P62)への結合、不溶性I型ウシ・コラ-ゲンとTritonX-100で可溶化した正常人血小板をCa^<2+>、Mg^<2+>存在下に孵置し、コラ-ゲンを洗滌後蛋白をSDSで溶出し、SDS-PAGE後抗血小板抗体を一次抗体としたイムノブロット法でP62が検出され、これがI型コラ-ゲンに吸着する蛋白で機能的意義を有することが示唆された。またゲルの銀染色では複数の蛋白バンドが染色されたことからP62はコラ-ゲンに吸着する複数の蛋白の一種であった。 2患者抗体を用いたイムノアフィニティ-クロマトグラフィ-によるP62の分離・精製・抗体より作製したFab部分をformyl-cellulofineにカップルし、これに可溶化した血小板膜標品を加えてバッチ法で反応させた後、クロマト管に充填・洗滌しグリシン緩衝液(pH2.5)で溶出した。溶出液のピ-ク画分(OD280)をWGA-アガロ-スカラムに添加・洗滌後D-アセチルグルコサミンでの溶出画分をSDS-PAGE施行し、ゲルの銀染色を実施したところ10本の蛋白バンドが検出され、患者抗体を一次抗体とするイムノブロット法ではP62の存在が認められた。したがってP62がWGAに結合する糖蛋白であることが判明したが、今後HPLCやpreparative SOS-PAGE等を併用して分離・精製を進める必要がある。 3本抗体を産生する患者の末梢血リンパ球を用いたヒト抗血小板コラ-ゲン受容体単クロン抗体(MoAb)の作製、患者リンパ球のEB virus transformantとヒトB lymphoid cell live AC33をPEG法により細胞融合させ、ヒト-ヒトハイブリド-マを得た。クロ-ニングにより得たMoAb(KYA-49)は、正常人血小板のコラ-ゲン凝集・放出反応を抑制しコラ-ゲン受容体と密接な関連をもつことが推察された。
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