前年度に作成した人工子宮潅流装置(マイクロチュ-ブポンプ、アクリル製恒温水槽、潅流回路)を用いて、雑種幼犬による、中外の潅流実験を行った。本実験により血液潅流回路がECMO装置として充分使用に耐えることを確認した。雑種幼犬は5頭用い、模型人工肺は3本使用した。次いで実験動物を恒温水槽に挿入し、水中保育実験の予備実験を開始した。しかし、幼犬では呼吸開始後であること、又胎児循環とは循環が異なることから、実験成果は得られず、2頭で中止した。雑種犬胎仔又は豚胎仔による水中保育実験を計画した。現在、両者とも胎週の明らかな幼物を入手することが困難であることから、入手可能な在胎週不明の妊娠犬より胎仔を得水中保育を開始したが、犬胎仔は小型であり、溶回による貧血が強く長期実験によるデ-タの入手や、胎児手術のための実験には不適当であることが判明した。現在本研究を完成させるためシバヤギを用いた水中保育実験を計画し、本年4月より約10頭本装置を使って行う予定である。
|