研究課題/領域番号 |
63570602
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
土屋 敦雄 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (10117674)
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研究分担者 |
君島 伊造 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00161547)
阿部 力哉 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70004629)
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キーワード | DNA / 大腸癌 / 生存率 / typeIVコラ-ゲン / 免疫組織化学的染色 / 乳癌 / 無血清培養 / コラ-ゲン・ゲル |
研究概要 |
大腸癌の生物学的悪性度における細胞核DNA量の意義について、DNAIndex(DI)からみた核DNA量と臨床病理学的因子及び予後との関連について検討した。大腸癌144例のうちdiploid63例(43.7%)、aneuploid81例(56.3%)でDIは1.30±0.35であった。aneuploidにおけるDIは1.1〜1.2及び1.5〜1.6にピ-クをもつ二峰性の分布を示した。stageIII及びVにおいてDIは高値を示した。組織学的所見との関連をみると、低分化型癌ではDIは有意に高値であった。DIの二峰性分布パタ-ンから、aneuploidを1.0<DI≦1.4(low aneuploid)群と1.4<DI(high aneuploid)群にわけ、予後を検討したところ前者は後者にくらべ低い傾向を示したが有意差はなかった。癌基底膜成分の破壊あるいは消失が、浸潤・転移能の強い癌にみられることが考えられる。そこで大腸癌62例において重要な基底膜構築成分であるtype IV collagenの局在とその予後との関連をみた。パラフィン切片においてABC法による癌腺管上皮基底部のtype IV collagen免疫組織化学的染色を行い、その染色程度により限局型、中間型、広範型の3型にわけた。Kaplam-Meier法による生存率をみると、限局型の予後が悪いが有意差はみられなかった。乳癌細胞のホルモン依存性をみるため、血清成分の影響をうけない無血清培養を行い、培養細胞増殖におけるホルモンの影響について調べた。ヒト乳癌22症例において無血清培養を行い、このうち14例(63.6%)にコラ-ゲン・ゲル上、又は内にコロニ-形成を認めた。同時に行った血清培養より良好な結果であった。コロニ-を認めた14例のうち7例に、エストラジオ-ル(E_2)のdoubling time(D.T.)に及ぼす結果をみると、エストロジェン受容体の有無にかかわらずE_2添加にて全例にD.T.の短縮を認めた。コラ-ゲン・ゲル内における初代培養細胞増殖形態についてみると、3次元的に突起様構造を形成しつつ増殖するのが特徴的であった。
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