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1988 年度 実績報告書

胎仔期創傷治癒についての培養系モデルによる研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570609
研究機関北里大学

研究代表者

猪原 節之介  北里大学, 医学部, 講師 (90101295)

研究分担者 古山 登隆  北里大学, 医学部, 助手 (60165503)
宇津木 龍一  北里大学, 医学部, 助手 (60151908)
内沼 栄樹  北里大学, 医学部, 講師 (90146465)
塩谷 信幸  北里大学, 医学部, 教授 (80050376)
キーワード創傷治癒 / ラット胎仔 / 創閉鎖 / フィブリン形成 / in vitroモデル
研究概要

当初に研究計画の準じて、ラット胎仔皮膚を用いたin vitro創傷モデルを作成した。また、このモデルでの創部の経時的観察に基づき、諸点の検討を行なった。
1.創傷モデルの作成 胎令16日および18日のラット胎仔の背部にそれぞれ1mmおよび2mm径の開放創を作成しこれを含む皮膚片を、ダルベッコウ変法イーグル培地中で器官培養した。
2.胎令18日皮膚開放創 培養24時間以内に創腔は非細胞性薄膜に被覆され、1日から2日後には、創縁からこの薄膜に線維芽細胞様細胞の浸出が観察され、この細胞は培養9日目までに創腔に集密化した。電子顕微鏡観察およびポリアクリルアミドゲル電気泳動分析の結果、薄膜主成分は架橋化されたフィブリン線維であることが判明した。薄膜形成は血清の存在に依存しないが、細胞侵出は依存的であった。9日間の培養期間では、表皮の創腔への浸出は小規模で局所的に観察されるに過ぎず、また創腔面積の有意な縮小(創収縮)も認められなかった。
3.胎令16日開放創 培養24時間以内に創腔面積が縮小し始め、3日以内に創の完全閉鎖が観察された。この創閉鎖は血清依存的であることが判明し、前述の胎令18日皮膚でみられたような薄膜形成と細胞侵出は認められなかった。
4.考察 上述の通り、胎令間での創部の形態学的変化の様相の差異は、創傷治癒様式の言わば胎仔型から成体型への転換が、ちょうど皮膚の形態形成の最中である後期胎仔期に起こることを強く示唆する結果と言える。胎令16日開放創にみられる速やかな創閉鎖については、現在、その機構に関する解析を進めている。今後は、in vivo治癒過程とも比較することにより、in vitroモデルの有効性と、得られた知見の生理的意義を確かめたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 猪原節之介: Developmental Biology.

  • [文献書誌] 猪原節之介: Developmental Biology.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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