研究課題/領域番号 |
63570611
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
上田 政和 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50142419)
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研究分担者 |
田辺 稔 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50197513)
相浦 浩一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00184010)
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キーワード | 外科侵襲 / 水分・電解質代謝 / ANP / エンドトキシンショック / 急性呼吸不全 / 末梢循環不全 |
研究概要 |
水分・電解質代謝は個体の生命維持にとって基本的な問題であり、その制御機構を理解することは各種外科侵襲下の病態解明と治療に不可欠である。そこでラットの熱傷モデル、エンドトキシン投与モデルを作成し、ANP、アルドステロン、バソプレッシンの塩酸肺炎モデルでは、ANPの測定を行いその変動を明らかにすると共にそれらのモデルについて抗ANP抗体を投与してその生理作用についても検討し、以下の結果と結論を得た。 (結果)1.ラットの熱傷モデルおよびエンドトキシン投与モデルいずれにおいても血中アルドステロン、バソプレッシン、ANP濃度は直ちに上昇した。このうちアルドステロンとバソプレッシンの上昇は一過性であったが、血中ANP濃度の上昇は比較的長期にわたり利尿期まで高値を持続していた。2.ラットの熱傷モデルおよびエンドトキシン投与モデルの利尿期にラットANPをウサギに免疫して得られた抗ANP抗体を投与するといずれのモデルにおいても投与後0-12時間の尿量と尿中Na排泄量は有意に減少した。しかし、投与後12-24時間においては両者とも非投与群と有意の差はみられなかった。3.ラット塩酸肺炎モデルにおいても血中ANP濃度は直ちに上昇し、塩酸投与後3日目でも対照群に比し有意に高値を持続していた。さらに、抗ANP抗体を投与すると肺重量の増加、明らかな尿量と尿中Na排泄量の減少が認められた。 (結論)外科侵襲に伴って血中ANP濃度の変動が認められ、しかもその変動は明らかな生理作用を有していた。
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