| 研究課題/領域番号 |
63570614
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| 研究機関 | 帝京大学 |
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研究代表者 |
森 栄五 帝京大学, 医学部, 講師 (40166351)
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| 研究分担者 |
松田 洋美 帝京大学, 医学部, 教務職員
鈴木 宏昌 帝京大学, 医学部, 助手 (00187759)
長谷部 正晴 帝京大学, 医学部, 講師 (00082264)
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| キーワード | 芳香族アミノ酸代謝 / 遊離芳香族アミノ酸濃度 / 熱傷ラット / 敗血症ラット |
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| 研究概要 |
感染症や炎症では、血中フェニルアラニン(Phe)/チロシン(Tyr)濃度比が正常値の2倍以上も増加することについて、筋組織の蛋白質異化亢進と遊離Phe,Tyrの動態そして血中の芳香族アミノ酸濃度の変化との関係を調べ、さらに肝臓のPeh,Tyrの異化酵素活性や酸化分解の効率との関係を熱傷ラットと敗血症ラットにおいて検討した。複数の骨格筋を試料として骨格筋蛋白質の異化様相を芳香族アミノ酸の動態、3-メチルヒスチジンの放出量から調べた。その結果、筋組織での3-メチルヒスチジンを含む遊離アミノ酸濃度の変化は、侵襲下の蛋白質異化亢進に鋭敏に連動していた。これらの変化は腹筋と大腿筋間では類似していたが、横隔膜では異なった。前2者の筋組織の各遊離アミノ酸の動態と血中の対応するアミノ酸濃度とは、比較的併行して変化していた。受傷後24時間まで肝ホモジネ-トのフェニルアラニンアミノトランスフェラ-ゼ、フェニルアラニンヒドロキシラ-ゼ、チロシンアミノトランスフェラ-ゼ及び4-ヒドロキシフェニルピルベ-トジオキシゲナ-ゼの活性を測定した。また経静脈的にL-[14C〈U〉]-Pheをパルス注入し7時間経過まで呼気中の^<14>CO2を回収して、Pheの酸化率を算定した。敗血症ラットと熱傷ラットともにチロシンアミノトランスフェラ-ゼ活性は5-15倍まで急増しフェニルアラニンヒドロキシラ-ゼも生理的補酵素を用いた測定では一時的には活性化されたがその後すぐにその活性は低下した。さらに、敗血症ラットではフェニルアラニンアミノトランスフェラ-ゼ活性やPheの酸化率も対照群ラットに比べて有意に増加していた。これに対し熱傷ラットでは変化がなかった。敗血症や感染ではおそらく肝での処理能力以上に骨格筋を中心とする末梢組織からPhe、Tyrの動員が増加し続けていると考えられる。PheやTyrの動態は、筋蛋白質の異化亢進および肝臓の芳香族アミノ酸代謝の状態を知るうえで有用である。
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