研究課題/領域番号 |
63570616
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
鈴木 英登士 弘前大学, 医学部, 講師 (60142858)
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研究分担者 |
朝倉 靖夫 弘前大学, 医学部附属病院, 医員
百田 行雅 弘前大学, 医学部附属病院, 医員
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キーワード | Oddi筋運動 / 内因性CCK負荷 / 2現象記録 / 十二指腸乳頭部カラ-フイルム撮影 / 胆汁排出機転 |
研究概要 |
I内因性CCK負荷時のOddi筋運動(食餌期におけるOddi筋運動)。 これまで胆汁排出機転におけるOddi筋運動のphysiologic roleについて、外因性CCK負荷(静注)を行い検索してきたが、より生理的状況下、すなわちCCK血中濃度上昇を惹起する脂肪剤を十二指腸に注入(内因性CCK負荷)を行いOddi筋運動(5例)にいて検索した。この結果、負荷前を100%としたmotility index(%)は15分、30分、45分、60分、75分までについてみると、それぞれ1.0±1.5%、1.3±1.6%、5.4±3.1%、79.3±44.6%、182.8±56.5%であった。すなわち内因性(CCK負荷45分まではOddi筋運動波形は消失しており、このことは胆汁排出促進が最も要求される食餌期においてOdii筋運動が全く不要であることを如実に示すものである。 IIOddi筋運動と胆道X線映画の2現象記録(非食餌期のOddi筋運動)。 NDS内の波形伝播方向が同時性の5波形について検索した。波形の振幅は79±4mmHg、持続時間4±0.4秒で波形の上昇部分(収縮相)と下降部分(弛緩相)から構成されており、その持続時間はそれぞれ1.3±0.1秒、2.7±0.4秒であった。そして次の波形が出現してくるまでの平均時間は14.1±0.5秒であった。そしてOddi筋運動波形消失時十二指腸へ排出されていた胆管内の造影剤は波形の出現とともに中断され始め、この際のNDS完全閉鎖に要した時間は収縮相の35%に相当した。以後波形は最大振幅に達していて弛緩相に移行したが、造影剤の排出は未だみとめられず波形が基線に復した0.7±0.3秒より次の波形出現まで持続的に観察された。すなわちOddi筋のphasic contractionは胆汁排出を促進するのではなく、抑制することが始めて具体的かつ客観的に明らかとなった。 III十二指腸乳頭部35mm cine color film撮影(10例)。 CCK,caeruleinを投与し実際の胆汁排出状況を観察し、4例でOddi筋運動消失時の乳頭部弛緩開大時に多量胆汁の排出を確認した。
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