研究課題/領域番号 |
63570628
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
松本 由朗 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (20159156)
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研究分担者 |
長堀 薫 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00137035)
三浦 和夫 山梨医科大学, 医学部, 助手
飯塚 秀彦 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60184347)
野口 明宏 山梨医科大学, 医学部, 助手 (80208313)
須田 耕一 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (80090596)
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キーワード | 膵・胆管合流異常 / 原発性肝内結石症に併存する肝内胆管症 / 胆道粘膜上皮のS期細胞標識率 |
研究概要 |
膵・胆管合流異常(合流異常)が胆嚢癌のhigh risk stageとして注目され、研究者は昨年度の研究成果として、合流異常を伴う症例の胆嚢粘膜上皮には合流異常を伴わない胆嚢結石症や正常胆嚢の粘膜に比べて、DNA合成期(S期)にある細胞の占める割合(L.I.)が高いことを明かにした。さらに合流異常を伴う先天性胆管拡張症で、肝内結石と肝内胆管癌の併存例においては、肝内外胆管の非癌部の各部分を、抗BrdUによって核を染色し、陽性細胞(S期細胞)の頻度を検索すると、癌部ではL.I.6.6%、その近傍の非癌部胆管では8.8%から10%と高い標識率を認めた。本年度はさらに症例を集積して次表のごとく、a)原発性肝内結石症4例、b)肝内胆管の拡張を伴う肝内胆管癌1例、c)胆管の形成異常を伴わない肝内胆管癌2例につい抗BrdUによる核の染色率を検索した。その結果、表のように肝内結石が充満した肝内胆管非癌部の胆管上皮のL.I.は、いずれも癌部同様に高値を示したが、結石を伴わない肝内胆管の拡張と癌併存例ではいずれの部位もL.I.は低置を示した。本例は粘液産生胆管癌であり、高分化な癌であったためと考えられた。そこで組織学的に、分化度とL.I.の関係、ならびに抗BrdUで染色される癌と染色されない癌を対象として、癌遺伝子の面から検討を加え興味ある結果が得られつつあるので、実験肝癌を用いた成績と共に最終年度にまとめて報告する。 成績 対象 肝内結石 肝内胆管拡張 染色部位 癌部のL.I. 癌部近傍の非癌部胆管上皮のL.I. 非癌部抹消胆管上皮のL.I.(a)肝内結石症に併存する肝内胆管癌(4例) + + 高値(8%台) 高値(部位により8%台) 低値(1%以下)(b)肝内胆管癌(1例) - + 低値(1%以下) 低値(1%以下) 低値(1%以下(c)肝内胆管癌(2例) - - 高値(7%台) 低値(1%以下) 低値(1%以下)
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