研究課題/領域番号 |
63570638
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
浜崎 啓介 岡山大学医学部, 附属病院, 助手 (90172965)
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研究分担者 |
柏野 博正 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (30204374)
上川 康明 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (00152851)
三村 久 岡山大学, 医療技術短期大学部, 教授 (80116508)
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キーワード | 門脈二重バイパス法 / 門脈の動脈化 / 肝虚血 / 肝組織変化 |
研究概要 |
1:門脈二重バイパス法の基礎的研究 雑種成犬をもちいて門脈二重バイパス法のモデルを作製して、総肝血流量の100%、75%、50%、25%、10%、0%(大腿動脈ー門脈バイパス)の5群のほかにコントロ-ル群として,開腹して輸液のみ施行する群を設定し、バイパス群ではバイパス後2時間、コントロ-ル群では開腹後2時間で肝組織を採取して、ヘマトキシリンーエオジン標本と電子顕微鏡標本を作製して各群を比較検鏡した。 A)光学顕微鏡標本(ヘマトキシリンーエオジン標本)の比較 HーE標本では,O%群とコントロ-ル群を比較すると、0%群で中心静脈周辺を中心に肝細胞の浮腫と淡明化がみられた。10%群でもこれと同様の変化がみられた。25%、50%群では特に著変なかったが、75%100%の2群ではグリソン鞘に浮腫がみられた。 B)電子顕微鏡標本(uranylーlead二重染色)の比較 コントロ-ル群と0%群とを比較すると、0%群では、糸粒体の増大・破裂、滑面小胞体の拡張、肝細胞の腫大などの細胞の虚血による障害がみられた。こういった変化は10%群にもみられたが、10%群では変化の強さに邑がみられた。25%以上の群では、いずれにも肝細胞に形態的変化はみられなかった。 以上から、肝送血量の安全域は、下限が10%と25%の間に、上限が50%と75%の間に存在すると考えられた。
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