研究概要 |
前々年、前年にひき続き当科で樹立したヒト食道癌細胞株6株(YESー1、YESー2,YESー3,YESー4,YESー5,YES=6)の培養を継続した。 ウシ胎児血清を添加した培養液においては、YESー1、YESー2は100回以上他の4株も50回以上の継代に成功しており、ほぼ安定した増殖性を維持している。また、YESー1,YESー2に関しては、無血清培地においても50回以上の継代に成功している。各株のcharactorizationも進行し、YESー1に関しては論文として発表した。また、YESー2,YESー3に関しても各種学会にて発表した。残り3株についても今後発表の予定である。 またこの6株よりphenolーchloroform法にてDNAを摘出し、Southern bletting法にてCーerbBおよびCーmycに関して検討したが、YESー1においてCーerbBの約10倍の増幅が認められたのみであった。しかし、Southern blettingの手技に関して多少問題が残っており、再検討の必要があると思われる。 現在この6株のうち最もdoubling timeの短いYESー2を用いて、invitroおよびヌ-ドマウスを用いてのin vivoの実験系でのEGFによる細胞増殖の変化について検討中である。 無血清培養が可能になったYESー1,YESー2の2株においては、autoーcrineとして何らかのgrouth factorを産生している可能性にもあり、その物質を同定中である。 すでに論文としたYESー1については、さらに抗癌剤であるVPー16(エドホシド)を使用し、その抗癌効果についてflow cytometryによる検討を行っている。
|